2ndアルバム『GAIA/MEDEA』で今秋日本デビューを果たした、ルクセンブルク発のデス・メタル・バンド:スカーレッド。本作の日本リリース直後となった10月末〜11月初頭、彼らの初来日ツアーが開催された。本公演はインドネシアのDEADSQUADとのカップリング・ツアーとなっており、都内を中心に全4会場で実施。このうち、ツアー初日である10月30日に浅草KURAWOODで行なわれたイベント“Asakusa Deathfest 2016”出演時の模様をお伝えしよう。
彼らの記念すべき日本初ライヴの1曲目に演奏されたのは、『GAIA/MEDEA』からの「Idiosyncrasy」だ。ギター・チームのディオゴ“ヨギー”バストスとヴァンサン・ウィルカンは、7弦ギターを駆使したヘヴィかつウネリの効いたグルーヴィ・リフで、オーディエンスを一気呵成におどろおどろしいデス・メタルの世界へと引きずり込んで行く。続いて繰り出されたのは、シャッフル・ビートに乗せたヘヴィ・バッキングのキャッチーさが光る、『GAIA/MEDEA』のリード・トラック「Cinder」。トレモロ・ピッキングを駆使した特徴的なイントロを担当したヴァンサンは同曲のソロ・パートも担っていたが、サウンド・チェックにそれ程時間が掛けられなかったためか彼のギターの音量がかなり小さく、せっかくのアピール・ポイントを活かしきれていなかったのはかなり残念…。ただ、5曲目の「Psychogenesis」におけるタッピングとスウィープを組み合わせたソロ・ワークなども含め、彼のテクニカル振りは十分に伝わって来たし、その端正なルックスも相まって観客には十分な存在感を与えていたと言えるだろう。
一方ディオゴのギター・サウンドは、爆音ながらも決して耳に痛くない音作りが印象的。彼は近年、「よりオーガニックなサウンドを求めている」ということで、それがきっちり実際の出音にも反映されていたように思う。プレイ面でも先に述べたようなグルーヴィなバッキング・ワークでアンサンブルの骨子を支えるとともに、「Mosaic」のメカニカルなシーケンス・フレーズなどソロ・プレイでもその実力者振りを見せ付けていた。
“Asakusa Deathfest 2016”における出演時間は約30分間とかなり短くはあったが、その強力なサウンドを以て会場に集結したコアなデス・メタル・ファン達に大きなインパクトを残したことは間違いない。現在彼らは3rdアルバムを制作中で、’17年中のリリースを目指しているとのこと──本記事で彼らに興味を持った方々には、ぜひスカーレッドの今後の動向に注目していただきたい!
SET LIST 2016.10.30 @浅草KURAWOOD
1. Idiosyncrasy
2. Cinder
3. Mosaic
4. El Chupa Cabra
5. Psychogenesis
6. Gaia
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