アーティスト名 | AEROSMITH エアロスミス |
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アルバム名 | MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION! ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション! |
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’04年の『HONKIN’ ON BOBO』はブルースをリスペクトするカヴァー作品。そのプロデュースを務めたのは’74年『GET YOUR WINGS』、’75年『TOYS IN THE ATTIC』、’76年『ROCKS』などの初期作品でエアロ・サウンドの確立に一役買ったジャック・ダグラスである。彼が採ったレコーディング方法は、ブルースというテーマに相応しい’70年代的な手法…、つまりスタジオ・ライヴという形だった。オリジナル作品としては前作になる’01年『JUST PUSH PLAY』は当時の最新テクノロジーを積極的に導入したわけだから、その意味に於いて『HONKIN’〜』は真逆の発想だったということになる。
再びダグラスがプロデュースを担当した本作もまた、その制作プロセスが採用された。メンバー全員でスタジオ入りし、各自が持ち込んだアイデアを練り、そしてライヴ空間の中でケミストリーを得る…というその方法により、極めてエアロ的な、誰もが思うエアロ本来のヴァイブがクールに花開いている。アルバム冒頭㈰のオープニング、4弦&5弦開放トリルのリフが鳴った瞬間からそんなエアロ魂炸裂。㈭でも㉀でも走り出したくなるはずだ。もちろん、感動の聴かせものもある。多くのリスナーの脳を躍動させるであろう11年ぶりとなるオリジナル作品は、“新”という肝を携えての彼らの原点回帰である。
(福田真己)