アーティスト名 | AVENGED SEVENFOLD アヴェンジド・セヴンフォールド |
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アルバム名 | HAIL TO THE KING ヘイル・トゥ・ザ・キング |
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’10年『NIGHTMARE』に続く6thとなるスタジオ作品。3年ぶりだ。マイク・ポートノイ(サポート)に替わるドラマーは’11年始めから参加しているエレン・イラハイだが、正式なメンバーということではないとか。
いつも曲作りとアレンジには時間を惜しまないA7Xだが、今回は前々作、前作を超える約9ヵ月間を費やした。それらの曲は、クラシック学にも精通したプロデューサー:マイク・エリゾンドの補佐もあって多岐に渡っているが、軸になるのは、シニスター・ゲイツ(g)によると「A7Xにしてはダーク」、ザッキー・ヴェンジェンス(g)によると「余計な装飾をせずメタルの原点を探った」という楽曲。シニスターは「プログレッシヴ要素を少し抑えている」とも話しているが、いやいや「Requiem」などは独特の世界に引きずり込むという意味で、十分なプログレ観がある。サーカスのような“テクニカル”はないが、オーケストラとクワイアを駆使した広がりと深みは彼らならでは、これぞA7Xという感じだ。
シニスターのプレイはテクニックも相変わらずでありつつ、それよりも感情表現の方に重きを置いている。それが際立つのは、珍しいほど直球どマイナーの「Acid Rain」。涙ナミダの曲自体も聴きどころだが、そのソロは「こんなプレイをやりたい…」と多くのギタリストが賛同するであろうタイプである。それをひっくるめて、新しい扉を開けた作品と言える。
(福田真己)