BEHOLD ELECTRIC GUITAR/ポール・ギルバート:ジャズやブルースの香りが漂うロック・ギター・インスト・アルバム

BEHOLD ELECTRIC GUITAR/ポール・ギルバート:ジャズやブルースの香りが漂うロック・ギター・インスト・アルバム
アーティスト名PAUL GILBERT
ポール・ギルバート
アルバム名 BEHOLD ELECTRIC GUITAR
BEHOLD ELECTRIC GUITAR

CD | 海外盤 | 2019年発売

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クラウドファンディング・サイト“PledgeMusic”を利用して制作された、我らがポール・ギルバートの最新ソロ作。インターネット上でファンと交流しながら作曲が進められ、ほぼオーヴァーダブなしのライヴ・レコーディングにこだわって制作された本作は、ジャズやブルースの香りが漂うロック・ギター・インスト・アルバムだ。ここで彼が試みているのは、’14年発表の『STONE PUSHING UPHILL MAN』でも大きなテーマに据えられていた“ギターで奏でるヴォーカル的表現”のさらなる探求であり、人の声が持つダイナミクスや色気、情感といったものを、より磨きをかけた繊細なレガート・テクニックを駆使して見事に再現している。元々はMR.BIGのために書いたという「Let That Battery Die」やジェフ・ベック風の「Every Snare Drum」を聴けば、新たな次元に達したポールの“ギター歌唱力”を体感できるだろう。

このように書くと「メロディー主体の地味な作品」という印象を抱かせてしまうかもしれないが、興奮必至の弾きまくりソロもバッチリ収められているので心配ご無用。レーサーXばりの熱血シュレッド尽くしとは言わないが、「Sir You Need To Calm Down」を始めYG読者の胸を躍らせるテクニカル・プレイも随所で楽しめる。2010年代を通してポールが追い求めてきたギター表現の究極形──そこに肉薄するサウンドを提示した一作としてマスト・チェックだ。