アーティスト名 | BULLET FOR MY VALENTINE ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン |
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アルバム名 | TEMPER TEMPER テンパー・テンパー |
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英ウェールズ出身、新世代メタルの旗手として世界的人気を誇る4人組の、大ヒットを記録した『FEVER』(’10年)に続く第4作。プロデューサーには再びドン・ギルモア(リンキン・パーク、グッド・シャーロット他)を迎えているが、その影響は今回より顕著になったとの印象だ。一聴して思い出したのは、イタリアのラクーナ・コイルが’09年に発表した『SHALLOW LIFE』──無駄を削ぎ落としたアレンジは、バンド本来の個性をしっかり留めつつも、それ以上に洗練を推し進め、見事にブラッシュ・アップされた楽曲は、どれもすっきりキャッチーに仕上がっている。
ただ、そんな完成度の高さを“作り込みが過ぎる”と感じるファンもいるかもしれない。ヘヴィなリフも鋭いスクリームも、まだまだ随所に配されてはいるものの、共にどこか抑制されたようなところがあり、熱き感情の迸りがリアルに伝わってこないのだ。それでも、アイアン・メイデン直系のツイン・ギターの妙味は健在だし、「Breaking Point」「Temper Temper」などコンパクトな中にも劇的さを秘めた絶品ギター・ソロの数々も見逃せない。尚、Tears Donユt Fall(Part 2)は「Tears Don’t Fall」(’05年の2nd『THE POISON』収録)のパート2。世界最速先行発売の日本盤には、ボーナス・トラックが4曲(うち「Playing With Fire」は日本盤限定)追加され、BBCラジオ・セッションでの「Whole Lotta Rosie(Live At BBC Radio 1)」「Scream Aim」のうち、前者がAC/DCの必殺曲カヴァーというのも興味深い。
(奥村裕司)