VERGE／CARDIANT

フィンランド産メロディック・メタル・バンドの約４年ぶりとなる3rd。大規模な人事異動を経た前作と同じメンバー５人に専任女性シンガーを加え、男女ツイン・ヴォーカル体制の６人組という新編成となったことも奏功してか、定評のあった哀愁と透明感を湛えた歌メロの質が更に高まった印象だ。典型的メロディック・メタルから一歩横道に逸れたような、ハード・ロック／プログレッシヴ・ロック的な“隙間感”も前作に増して効果的に響き、楽曲に深みと説得力を与えている。野暮ったさは相変わらずだが、それもまた彼らの個性。激テクとは言い難くもセンスに長けたギタリストのプレイも良い雰囲気を生んでいる。
（羽田幸一）