BEAST REALITY/CITY OF THIEVES 幅の広さでみせるロンドン産トリオの処女作

BEAST REALITY/CITY OF THIEVES 幅の広さでみせるロンドン産トリオの処女作
アーティスト名CITY OF THIEVES
シティ・オヴ・シーヴス
アルバム名 BEAST REALITY
ビースト・リアリティ

CD | マーキー・インコーポレイティド/アヴァロン | 2018年9月26日発売

Amazonでチェック

’08年頃に結成された、ロンドン産トリオの処女作。AC/DCをちょいとメロディックに仕立て直したエアボーン風の音が基本だが、あくまでも“基本”で、そこに彼らは留まらない。GN’Rやモトリー・クルーを思わせる毒っ気を見せたかと思えば、数曲では重心をグイと落とし、サウンドガーデンやトラブルを思わせる湿ったサバス風リフの構築美で聴かせもする。サザン・ロックの埃っぽくてルーズな演奏も上々だ。リスナーが細分化された今の時代に合わせるなら、もっと音楽性を絞った方が良いのだろうが、彼らの幅の広さは、今後大きなスケールを備えたバンドとして成長が期待できる要素でもあるはずなのだ。

【文】菅原健太