COHERENCE／ベラコール：北欧的センスが洗練されたメロディック・デス５作目

オーストラリア・メルボルン出身の５人組メロディック・デス・メタル・バンドによる、約５年半ぶりとなる5thアルバム。今回はまたもやドラマーがチェンジしている。日本盤もリリースされた前作『VESSELS』（’16年）を順当に継承する北欧メロディック・デスの緻密な模写に、オーペスにも通じるようなやはり北欧的センスのプログレッシヴ気質を適度にまぶした、大人っぽく洗練された音楽性が本作でも示されている。いきなり10分超の曲で幕が上がるが、よく練り上げられた展開でまったく飽きさせることなく聴かせきる。表現の幅が広がったが、良い意味での分かりやすさが増しており、嫌味なくまとまっている。

【文】小澤明久