アーティスト名 | DEF LEPPARD デフ・レパード |
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アルバム名 | DEF LEPPARD デフ・レパード |
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’08年の前作『SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE』は、デフ・レパードにしては珍しくライヴ感を重視した生々しさが印象的なアルバムだった。あれはあれで良かったが、やはりあくまでもイレギュラーだったということか。8年が経過してようやく届いた新作は、アメリカだけで1,000万枚以上を売り上げた『PYROMANIA』(’83年)や『HYSTERIA』(’87年)に匹敵するような、微に入り細を穿つ凄まじい作り込み具合がまず印象的だ。それら過去の名作を引き合いに出したのは、動画サイトで既に公開されている「Let’s Go」が、誰が聴いても(『HYSTERIA』収録の)「Pour Some Sugar On Me」のパート2だから。ベテランならではのコダワリのなさが見えて面白いが、他にも例えばもろにクイーンの某曲を彷彿とさせる「Man Enough」、ZEP的なケルト風アコースティック・ナンバー「Battle Of My Own」など、自身のルーツをさらけ出した曲が多いのも、ある意味開き直り的で興味深い。
フィル・コリンとヴィヴィアン・キャンベルのギター・サウンドに関しては、もはやこれ以上は望めないほどの現代的なハイファイさが肝であり、空間を埋め尽くす広大なレンジ感が実に強烈。これをオーヴァー・プロデュースと揶揄する輩もいるだろうが、もはやそれをどうこう言うべき時代でもあるまい。実力のあるベテランが時間と金を掛けて作るとこうなる…という、お手本のようなアルバムだ。