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I AM THE FIRE/GUS G.

アイ・アム・ザ・ファイア/ガス G.

アーティスト名 I AM THE FIRE
ガス G.
アルバム名 GUS G.
アイ・アム・ザ・ファイア


CD | キング | 3月26日発売

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ミスティック・プロフェシーの『VENGEANCE』で’01年にデビュー。その直後からファイアーウインド、ドリーム・イーヴル、ナイトレイジなど、一時は幾つものバンドを掛け持ちし、引く手あまたのギター職人的位置にいたガス G.。あの時期「ファイアーウインドこそ自分のソロ的な活動の場」という意識があったからだろう、腕前を遺憾なく発揮するソロ・アルバムの話は全く出なかった。変化をもたらしたのは“オジー・オズボーンへの参加”ってことか。ガスの名がシーンに知れ渡り、ファイアーウインドはファイアーウインド、それとは違う形でのアピールもしてみようという意味もあるのか。今の段階でガス本人に話が聞けていないため真相は分からないが、個人的には突然という感もある今回の初ソロ作品である。
 
参加メンバーは、一時イングヴェイ・マルムスティーンのバンドに在籍していたマッツ・レヴィン(vo)、ジェフ・スコット・ソート(vo)、メガデスのデイヴィッド・エレフソン(b)、御存知ビリー・シーン(b)、アーチ・エネミーのダニエル・アーランドソン(dr)等々、キャリアを積んだベテランが多い。そんな彼等が支える曲は、まず言えるのが終始「バンド的」であるということ。ギター的に言うと、テクニックの限りを尽くしたインスト的世界のオンパレードも想像していたが、ガスの脳内に巡っているのはやはりメロディーだった! これぞ、[技巧+旋律]のポリシーを持つガスの集大成に相応しい。
(福田真己)

 
 

現在はオジー・オズボーン・バンドとファイアーウインドで活動するギリシャ出身のギタリスト:ガス G.が関わったバンドは枚挙にいとまがないが、今作は初のソロ作品となる。その祝儀に…ではないにせよ、マッツ・レヴィンやジェフ・スコット・ソートといったイングヴェイ人脈のシンガーにマイケル・スター(vo/スティール・パンサー)、他にア・パーフェクト・サークルのメンバー等の意外な人選も含むゲストが多数参加。中身については、モダン・ロック・フィーリングも感じられるハード・ロックが多く、どれも歌と曲の良さが光る。またリード・プレイもたっぷりフィーチュアされており、繊細なタッチが生む泣きのプレイからネオ・クラシカル・テイスト、超絶フラッシーに攻めるものまで、場面ごとの表情の使い分けが実に見事だ。 
 一方で、デイヴィッド・エレフソンとダニエル・アーランドソンという顔合わせの「Vengeance」や、ビリー・シーンとダニエル参加の「Terrified」(高速ユニゾン当然あり!)の各インスト曲は至極メタリック。女性ヴォーカル曲㈭でのエヴァネッセンス等に通じる叙情性はグッとくるし、ガスならではの熱いエモーションが迸る哀愁のインスト「Without You」(日本盤ボーナス)で締める構成も良い。“彼がアーチ・エネミーに加入していたら…”と今も思わなくはないが、その後のファイアーウインドの充実具合や、今作の仕上がりを見れば、自身でイニシアティヴを握るのが性に合うのだろうと勝手に納得。
(早川洋介)