THE SERENITY OF SUFFERING/KORN

THE SERENITY OF SUFFERING/KORN
アーティスト名KORN
KORN
アルバム名 THE SERENITY OF SUFFERING
ザ・セレニティー・オブ・サファリング

CD | ワーナーミュージック・ジャパン | 2016年10月21日発売

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’05年にヘッド(g)が脱退してマンキィ(g)のみのシングル・ギター体制になって以降、生々しいバンド作品とスタジオ技術を駆使した実験的作品を交互にリリースするという、変則的な活動を続けていたKORN。メンバーも一時は3人まで減る異常事態だったが、’10年にレイ・ルジアー(dr)が加わり、’13年にヘッドが再加入し…。結局ドラマー以外はオリジナル・メンバーに落ち着き、ようやくファンをほっとさせた彼らである。その体制で作られた前作『THE PARADIGM SHIFT』(’13年)は、どヘヴィなツイン7弦、変幻自在のリズム隊、その上に乗る何故かキャッチーな歌…がほどよく混ざった快作だったが、新作(通算12枚目)も基本的に同じ路線で同等のハイ・クオリティだ。おどろおどろしさは薄めだが、それは我々が刺激物に慣れ切ってしまったからでもあろう。代わりにメインストリームのバンドらしい整合感が一層増し、全員いっせーので聴き手の頭に殴りかかるような、一体感のある攻撃性が全編を支配。「Please Come For Me」のようにコード感の明快なバッキングが増えたせいもあり、どの曲も歌メロに超分かりやすい泣きがあるので、非常に聴きやすい。もちろん気持ち悪い音も満載ではあるが、何しろ音質が良くてピッチを聴き取りやすいので、不協和音ですら何か心地よいのである。ちなみにスリップノットのコリィ・テイラー(vo)が「A Different World」にゲスト参加。