QUASAR／紫

オキナワン・ロックの大御所による、前作『PURPLESSENCE』（’10年）からEP『EYES WIDE OPEN』（’13年）を挟んでの第４作。プログレ・メタルっぽい路線にも挑んでいたEPから、さらにどう進化するか…と思ったら、現代的な叙情をまといながらも、古典的なオルガン・ハード・ロックへと回帰を遂げていた。ディープ・パープルへのオマージュ、クラシック曲の有名フレーズ導入も含め、要はバンドが最も得意とする原点へ立ち戻ったということか。比嘉清正＆下地行男のギター・ワークもベテランならではの味わいで、アルバム全体に漂う大人の余裕とヴィンテージ風味が心地よい。DVD付きDX盤も発売。

【文】奥村裕司