ROAD RAGE／クワイエット・ライオット

ケヴィン・ダブロウ（vo）の死と幾多ものメンバー・チェンジを乗り越えて復活を果たした、新生クワイエット・ライオットによる約11年ぶりとなるスタジオ作品。米オーディション番組『アメリカン・アイドル』をきっかけにプロ・デビューしたジェームズ・ダービンが新シンガーとして加入。伸びやかなハイ・トーンも卒なくコナす若き“声”を手に入れたにもかかわらず、力強いコーラスを湛えた古典的ヘヴィ・メタル路線に舞い戻るどころか、前作『REHAB』（’06年）で披露したブルース・ロック寄りの音楽性を維持。楽曲自体は優れており楽しめるのだが、あの“クワライ”の復活作だと意識して聴くとどうしても違和感が…。

【文】Masa Eto