PATINA/RED DRAGON CARTEL レトロさを感じさせないジェイクの’70年代風ヘヴィ・ロック

PATINA/RED DRAGON CARTEL レトロさを感じさせないジェイクの’70年代風ヘヴィ・ロック
アーティスト名RED DRAGON CARTEL
レッド・ドラゴン・カーテル
アルバム名 PATINA
パティナ

CD | マーキー・インコーポレイティド/アヴァロン | 2018年10月24日発売

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元オジー・オズボーン・バンド〜バッドランズのジェイク・E・リー(g)率いるバンドによる約4年ぶりとなる2作目。2014年夏の初来日公演以降、ラインナップに紆余曲折あったが、本作は出戻りを果たしたダレン・スミス(vo/ハーレム・スキャーレム)に、元リンチ・モブのアンソニー・エスポジート(b)と元スキッド・ロウのフィル・ヴァロン(dr)が加わった新編成で制作されている。さらに『BARK AT THE MOON』(’83年)を手掛けた敏腕マックス・ノーマンがミックスを担当。

基本的には前作を踏襲した音楽性で、ミドル・テンポ主体のダークな曲調が中心となっているが、本作にはオジーやブラック・サバスの代表曲を思わせる雰囲気のHR/HM然とした楽曲は収録されておらず、スピーカーのコーンが悲鳴を上げそうなほどに歪んだファズ寄りのサウンドで刻まれる、骨太なギター・リフを中心とした’70年代風ヘヴィ・ロックが全編で展開されている。ジェイクにとっての原点回帰なのだろう、サイケデリックな空気すら漂う作風ではあるが、ソロは冴え渡り、音色も艶々しているため、レトロな古臭さは一切感じさせない。一体感の増したバンド演奏と一貫性のある曲調でアルバムとしての完成度も間違いなく前作を凌駕している。聴けば聴くほどに深みにハマっていく中毒性の高い作品だ。

【文】Masa Eto