アーティスト名 | RED HOT CHILI PEPPERS レッド・ホット・チリ・ペッパーズ |
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アルバム名 | I'M WITH_YOU アイム・ウィズ・ユー |
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通算10作目。脱退したギターのジョン・フルシアンテに替わり、他のメンバー3名と20歳近い年齢差がある’79年生まれのジョシュ・クリングホッファーが新加入したが、彼はジョンのソロ及びプロジェクトにも関わってきた盟友だ。①の冒頭、音楽性が豹変してしまったかのようなノイジーなギターに「これがジョシュ効果か…!」と色めき立つも、やはり、新参者の手に委ねるには時期尚早——今作はギター以外の弦楽器の活躍が耳を惹く。フリー(b)だ。彼の、前3枚と比べたら幾分ファンキーさを取り戻したベースを軸にする曲が目立ち、大半の曲に於けるギター・プレイは、ベース・ラインに彩りを添える役割。そこでのジョシュのカッティングや細やかな装飾はジョンのそれを下敷きにしたような塩梅だが、前任者の穴埋めのようなギター・プレイの印象と、前3枚とそう大差のないメロウな作風が、ジョン在籍時のバンド・カラーの維持を図った、という本作の総評に繋がる。
ただし、⑨は荒々しいロック・ギターがリードする曲で、尖ったノイジー・プレイは①の冒頭にも通じるし、フリーもここ一番のアグレッシヴなプレイで応戦しており、やたらと熱い。これがジョシュらしさであれば、次回は彼に思う存分やらせてドカンと化学反応を起こさせ、“ミクスチャー・ロック”の本領を聴かせてほしい。導火線に火は点いている。
(菅原健太)