SEPARATE WORLDS／ロビー・ヴァレンタイン：全パートを１人でコナした、美旋律の貴公子ソロ名義作

オランダ出身“美旋律の貴公子”の’18年作『THE ALLIANCE』以来となる新作。“ヴァレンタイン”名義じゃないのは、基本すべてのパートを１人でコナした文字通りのソロ作品だからか。しっとり系ピアノ・バラード主体で、’17年来日公演でも披露された「ノクターン」などショパンの著名曲やコルサコフの「熊蜂の飛行」といったピアノ独奏も収められており、これはもうクラシカル・クロスオーヴァーの域。ギターがどこにもない…と思ったら、本編最後にようやく雄大なロック・バラードが待っていて、イントロに泣きのギター・メロディーが…!!　華麗なるロビー・ワールドのメロウ・サイドをじっくり楽しみたい。

【文】奥村裕司