TITAN／SEPTICFLESH

今年２月に初来日を果たしたギリシャ産シンフォニック・デス・メタラーの第９作。今回もフル・オーケストラ＆クワイアを全面起用し、荘厳なる密教的暗黒サウンドはさらに重厚さと深みを増しているが、クラシカルな音像に怒涛のビートが乗り、ゴスな揺らぎのギターが絡む独自路線そのものに、驚くような変化はなし。とはいえ、唸りを上げるチューバ（スーザフォン？）の重低音がヘヴィ・ギターと一体になる瞬間、静謐なるハープと泣きのギター、ヴァイオリンとチェンバロの連携などには、思わずハッとさせられること請け合いだ。唯一残念なドラムの軽さは、ミックスを手掛けたローガン・メイダーの趣味か…？
（奥村裕司）