SIMULATION THEORY/MUSE:UKギター・ロック最高峰トリオによる通算7枚目

SIMULATION THEORY/MUSE:UKギター・ロック最高峰トリオによる通算7枚目
アーティスト名MUSE
ミューズ
アルバム名 SIMULATION THEORY
シミュレーション・セオリー

CD | ワーナーミュージック・ジャパン | 2018年11月9日発売

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UKギター・ロック最高峰トリオによる、’15年作『DRONES』に続く通算7枚目。コンセプト・アルバムだった前作では、ハード&ヘヴィなロック原点回帰が注目されたが、その揺り戻しか、今作はデジタリーかつエレクトロニカな、全く真逆の仕上がりだ。ただ、この路線もまた彼らの原点の1つには違いなく、近未来SF映画を思わせるアルバム・カヴァーの狙いもよ〜く分かるし、あらゆる面で’80〜’90年代を強く意識したことは、連作っぽいMV(何と収録全曲で制作!)にちりばめられた映画オマージュや、マイケル・ジャクソン・リスペクトからもしっかり伝わってくる。

とにかく全編シンセ、シーケンサー、サンプリング・サウンドだらけで、その点では’80年代のクイーンっぽくもあり、ポップな中にプログレ風味もあるにはあるとはいえ、ギター的観点から言えば、正直あまり聴きどころは少ない…かもしれない。しかしながら、プリンスっぽくて、ある意味でロックから最も遠い「Propaganda」にだって、アコにエフェクトをかけたような、興味深いギター・パートが盛り込まれているから油断はできない。また、デラックス盤に追加されたより壮大な“Alternate Reality Version”、文字通りの“Acoustic Gospel Version”、ブラス・バンドとの共演など、本編各曲の別ヴァージョンも単なる“ボーナス”以上の仕上がりとなっている。

【文】奥村裕司