Singer／田川伸治：極彩色のアプローチが詰め込まれた、12年ぶりのリーダー作

2018年始めにDEENを脱退したギタリストの田川伸治が、約12年ぶりに発表した自身のリーダー作。独自に発掘したという複数のシンガーをフィーチュアしたアルバムで、「歌詞ありきの作曲」という彼のキャリアにおいて（ほぼ）初めてのアプローチが取られたのだとか。その内容は確かに“歌”が主役だが、ヴォーカルに引けを取らずギターも聞き手の耳を強力に引き付ける。ブライアン・メイ彷彿の鮮烈なソロ、爽快なアコ弾き、ファンクな刻み、メタル度MAXのシュレッド…などなど、極彩色のアプローチが詰め込まれている。まるで遊園地を巡っているかのような多幸感が得られる、田川の音楽ヴィジョンが炸裂した快作だ。