SMITH/KOTZEN スミス/コッツェン:作曲、ギター、ヴォーカルをシェアした大人のプレイ

SMITH/KOTZEN スミス/コッツェン:作曲、ギター、ヴォーカルをシェアした大人のプレイ
アーティスト名SMITH/KOTZEN
スミス/コッツェン
アルバム名 SMITH/KOTZEN
SMITH/KOTZEN

CD | 輸入盤 | 2021年3月26日発売

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アイアン・メイデンのエイドリアン・スミス(g)とザ・ワイナリー・ドッグスやソロで活躍するリッチー・コッツェン(g)が結成した新ユニットによるデビュー作。クラシック・ロックやブルース・ロックを敬愛し、お互いにL.A.で近所同士の2人がジャム・セッションを通じて意気投合したことにより実現したプロジェクトで、一見全く異なる音楽的指向を持つように見える2人が共同で作曲し、ギター・パートのみならず、ベース、さらにはリード・ヴォーカルまでをも分けあって制作されている。

基本的な音楽性としては、リッチーのソロ作にも通じる比較的ストレートなアメリカン・ロックだが、フュージョンやジャズの要素は皆無で、あくまでもブルース・オリエンテッドな路線に徹している。面白いのはエイドリアンがメイデン脱退後の’90年代中盤に結成したバンド:サイコ・モーテルで披露した、シアトル系のバンドにも通じる気だるいグルーヴ展開が所々で垣間見られる点で、それが意外にもソウルフルなリッチーの歌唱と抜群の相性を見せており、ややもすれば退屈になりがちなミドル・テンポ・ナンバーが艶と色気で満たされるから不思議だ。随所で耳を捉えるテクニカルなフレーズも登場するが、基本的にはギター・ソロも超絶技巧に弾きまくることはなく、楽曲の雰囲気に沿った大人のプレイが楽しめる。

【文】Masa Eto