DARK MATTERS／ザ・ラスマス

フィンランドのメランコリックでキャッチーな４人組による、’12年作『THE RASMUS』以来、５年半ぶりの通算９枚目。人事異動はナシ。ただ、スウェーデンの作曲＆プロデュース・チーム：The Familyと組んだことで、前作以上に“ロック＜ポップ”な仕上がりとなり、打ち込みサウンド満載にして、曲によってはほぼギターレスという事態に。ヘヴィなギターを効果的に使った曲もあるにはあるが、かつてのようにガツンと前へ出ることはなく、あくまでデジ要素に寄り添うアレンジがほとんどだ。それでも、翳りのあるメロディーなど楽曲自体の方向性はこれまでの延長線上だし、アコ使いの絶妙さにも注目したい。

【文】奥村裕司