アーティスト名 | THE WINERY DOGS ザ・ワイナリー・ドッグス |
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アルバム名 | HOT STREAK ホット・ストリーク |
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リッチー・コッツェン(vo, g/元MR.BIG他)、ビリー・シーン(b/MR.BIG他)、マイク・ポートノイ(dr/元ドリーム・シアター他)の3人で結成されたスーパー・グループの2ndアルバム。基本的な方向性はデビュー作『THE WINERY DOGS』(’13年)と同様ながら、よりタイト感を増し、ブルース系の泥臭さを薄めた印象。この顔触れならもう少しリミッターを外しても良さそうなものだが、やはりここでもヴォーカルありきの楽曲重視志向が貫かれている。
初来日公演を収録したライヴ作品『UNLEASHED IN JAPAN 2013:THE SECOND SHOW』(’14年)では、アコースティック・ギターのコード・ストロークを除き、親指と人差指を中心としたフィンガー・ピッキングに完全移行していたリッチーだが、本作でも指でしか出せないアタックから、指とは思えない切れ味鋭い刻みまで、多彩なトーンを披露している。超絶技巧でありながら、キッチリし過ぎない、もしくはキッチリしたテイクを追い求めない姿勢が、全体を小綺麗にまとめさせない要因にもなっているようだ。
アルバムの後半で垣間見せたのは、後期ラッシュにも通じるプログレ・ハードの片鱗。マイクのフィルが煽り、リッチーの声がそれを打ち消す。すでに安定したバンド・カラーを確立しながら、新たな可能性も感じさせてくれる1枚。
(堀沢俊樹)