アーティスト名 | THE WINERY DOGS ザ・ワイナリー・ドックス |
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アルバム名 | THE WINERY DOGS ザ・ワイナリー・ドックス |
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トニー・マカパイン、デレク・シェリニアンとライヴ盤『LIVE IN TOKYO』(’13年)を出したシーン屈指のリズム隊ビリー・シーン(b)&マイク・ポートノイ(dr)が、リッチー・コッツェン(g)とも組んでいた。ビリーとマイクはジョン・サイクスとも音合わせをしていたという噂を以前、風の便りに聴いた気がするが、まぁそれはいい。とにかく、ここに強力なトリオ:ザ・ワイナリー・ドッグスが誕生した。
リッチーは’11年に『24 HOURS』を発表。ピックを使わずすべてフィンガー・ピッキングに切り替えた奏法の変更は驚きだったが、R&B色の濃い作風は正直リスナーに受け入れられたとは言い難い。ただ今度はビリーとマイクが後ろに構える。ハジけるのは目に見えている。しかしここでも指弾きなのか。いや、聴いてみればピック使用と遜色ない。これフィンガー・ピッキングかなあ。そこはハテナ、ボカしておくしかないが、ワイナリー・ドッグスとしてのサウンドは、伝家の宝刀“マザー・ヘッズ・ファミリー・リユニオン”風のヴァイブがたっぷり。歌もシャウトの熱量が二倍増量という感じだ。…ああやっぱりピックかな。懐かしき凄腕コッツェン節が満載だもの。ビリーとマイクによりリッチー覚醒、と言っておこう。リズム隊のキメが技巧的に絡み、そして縦横無尽のインプロヴァイズ。これはキャリアを代表する1枚だ。
(福田真己)