SILENCE IN THE SNOW/TRIVIUM

SILENCE IN THE SNOW/TRIVIUM
アーティスト名TRIVIUM
トリヴィアム
アルバム名 SILENCE IN THE SNOW
サイレンス・イン・ザ・スノー

CD | ワーナーミュージック・ジャパン | 2015年10月2日発売

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もはや若手の域から抜きん出た感のある、フロリダ出身メタラーの2年ぶりとなる7th。何と言ってもマット・ヒーフィー(vo, g)のヴォーカルへの姿勢の変化が今作の鍵で、いわく「12歳の頃から叫ぶのではなく、歌えるシンガーになりたかった。叫ぶことは簡単、歌うことは困難。俺は常に困難を選んできた。そして今それができるようになったんだ」。本作の概念は元々’07年のヘヴン・アンド・ヘルとのツアーでの経験に色濃く影響されたとのことで、つまり着想から8年、その答えがスクリーミング・ヴォイスの完全排除であり、結果、“歌える”作品となって産み落とされたのだ。

思えば、彼らは作品毎に音楽性を変えつつも、常にヴォーカル・メロディーを大切にしてきたバンドであった。クリーン・トーンのみで起伏の激しいラインを朗々と唄い上げるマットのこの選択は、バンドとして必然かつ新たなる境地への第一歩と捉えるべきだろう。元々は『SHOGUN』(’08年)用に作られたというタイトル曲に代表されるように、ミッド・テンポの楽曲に絡みつくマット&コリィ・ビューリューのギターには派手さはないものの、重厚感あるリフや流麗なソロ、正統派への回帰とも言える古典的なプレイが満載。豊富なメロディーとそれに呼応する堅実なギター・プレイにあるのは、作品への自信と挑戦を続ける矜持以外の何物でもない。