マイケル・シェンカー・グループ『UNIVERSAL』、王道のミドル・テンポで重厚に迫る強力作

マイケル・シェンカー・グループ『UNIVERSAL』、王道のミドル・テンポで重厚に迫る強力作
アーティスト名MICHAEL SCHENKER GROUP
マイケル・シェンカー・グループ
アルバム名 UNIVERSAL
ユニヴァーサル

CD | ワードレコーズ | 2022年5月27日発売

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我らが“神”にして永遠のギター・ヒーローであるマイケル・シェンカーの音楽活動開始50周年、さらにマイケル・シェンカー・グループのデビュー40周年記念として、久々にMSG名義でのリリースとなった前作『IMMORTAL』(’21年)だが、リリースから約1年でさっそく新作が登場した。前作同様、マイケルと所縁の深いミュージシャンが多数参加しているが、本作でメイン・ヴォーカルを務めるのは、20年前のヨルン・ランデ並みに渡り鳥ぶりを発揮するロニー・ロメロ。楽曲スタイルに拘らず、力強く隙のない歌唱を披露する実力は流石の一言だ。本作の目玉の1つは、マイケル・キスク(ハロウィン他)の参加だろう。ロニー・ジェイムズ・ディオへのトリビュート曲「A King Has Gone」で、ボブ・デイズリー(b)、トニー・カレイ(key)、ボビー・ロンディネリ(dr)という元レインボー組と共に、一聴してすぐに彼と分かる個性的かつ圧倒的な歌声を聴かせている。続く「The Universe」では、存在感は薄いながらMSGの初代シンガー:ゲイリー・バーデンがデュエットで参加。小気味良いアップ・テンポな楽曲は少な目だが、緊張感のあるギター・リフとメリハリに満ちた叙情性溢れる歌メロを擁した楽曲はどれも聴き応え抜群で、適度な即興性を加味しつつもメロディアスに攻める構築美に溢れたソロも実に魅力的だ。王道のミドル・テンポで重厚に迫る強力作。

【文】Masa Eto