アーティスト名 | PAUL GILBERT ポール・ギルバート |
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アルバム名 | WEREWOLVES OF PORTLAND ウェアウルヴズ・オブ・ポートランド |
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オープニングで聴けるブライアン・メイ風のギター・オーケストレーションが印象的な、ポール・ギルバートの通算16枚目となるソロ最新作。4人のミュージシャンによるジャム・セッションの生々しいグルーヴを詰め込んだ前作から一転、本作ではポールがスタジオにこもり、ギター、ベース、ドラム、キーボードのすべてを1人で担当したというのだから、まるでマイク・オールドフィールドだ(笑)。
今回は一切ヴォーカルなしの完全インスト作だが、歌メロをギターで表現する手法は前作からさらに進化しており、優しくポップな曲調から軽快なブルース・ナンバーまで、シンガロングできそうなメロディーの数々をギターにたっぷりと歌わせている。超絶技巧かつメタリックに弾きまくるような部分はなく、あくまでも温かみのあるクランチ・トーンを主体としたロック・インストに仕上がっている。
メイン・ギターであるアイバニーズ“Fireman”の他にも、ヴィンテージのアイバニーズ・ギター各種や彼がレーサーX時代初期に使用していたという’60年製代エピフォンの改造モデルなどがレコーディングに使用されているそうで、スライド・バーやワウに加えて、コーラスやディレイなどのエフェクトも効果的に用いられており、実に表情豊かな楽曲の数々を気張らずにリラックスして楽しめる。
【文】Masa Eto