TOIEC、TOEFLといった英語関連をはじめ、世の中には様々な検定や資格試験が存在するが、音楽の分野にも公式な検定があることをご存知だろうか? “RSL Rockschool Exam”(以下“Rockschool”検定)はイギリスを発祥とする世界初のポピュラー・ミュージックのための階級試験制度だ。ここ日本でも、同検定の実施が限定的に始まっており、今年の冬からいよいよ一般募集が行なわれる。年齢やジャンルに関係なく受験可能なこの検定、その内容を詳しくみていこう。
世界45ヵ国で実施、現代ポピュラー・ミュージシャンのためのグレード試験
“Rockschool”検定は1991年にイギリスのロンドンにて設立されたRSL Awardの一環として誕生、現在は世界45ヵ国で実施されている。現代のポピュラー音楽を演奏するミュージシャンのスキル、楽器演奏の実技及び読譜や聴音といった音楽的知識に関する試験を通して習熟度をはかる検定だ。グレード(階級)の内訳は超初心者から上級にわたる8段階と、2段階のビギナー階級“Premier” “Debut”を合わせた10段階が用意されており、対象年齢は不問。小さな子どもから大人まで、誰でも任意のグレードの受験が可能だ。取得したグレードは公的な記録として、海外の大学受験の際に表明できるなど、世界的に通用するものとなる。
試験内容は世界共通のため、テストの出題や指示はすべて英語で行なわれる。しかし日本では、こうした受験に関する一連の流れを日本語で対応できるよう、東京都内でギター教室を展開しているアメリカンギターアカデミーが、“Rockschool”の受験申し込みから試験中まで全面的な日本語サポートを行なっているので、英語が苦手に感じる人でも安心して受験することが可能だ。
対象となる楽器はエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ベース、キーボード、ウクレレ、ドラム、ヴォーカルなどだが、現在日本で受験可能なのはエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ベース、ウクレレ、ヴォーカルの5種類に限られている。
試験では指定の課題曲や自分で選んだ曲を演奏するが、コンテンポラリー・ミュージック:つまり現代のポピュラー音楽を対象としているため、そのジャンルはポップ、ロック、ジャズ、ファンク、メタル、ソウル、R&Bなど、実に多岐にわたっている。ギターでロック系の課題曲をいくつか挙げてみても、初級クラスのGrade 1にはグリーン・デイの「Basket Case」、中級あたりのGrade 6にはクリーム「Crossroads」、上級のGrade 7にレニー・クラヴィッツ「Are You Gonna Go My Way」、Grade 8にはスティーヴ・ヴァイ「Die To Live」などがある。他にもリアーナやブルーノ・マーズといった様々な楽曲がに定められているので、弾き慣れた曲や長年聴いてきたお気に入りの曲などでテストに臨むこともできる。
テスト内容と対策方法
試験はグレード試験と演技検定の2種類に分かれており、どちらか1つの方法で受験することが可能だ。
1. グレード試験
課題曲を3曲演奏することで演奏能力やテクニックの達成度をチェックするほか、スケール演奏や聴音、そしてサイトリーディング(=初見/譜面を初めて見ながら弾く)もしくはインプロヴィゼーションのテストが同時に行なわれる。
2. 演技検定
グレードごとに定められた楽曲の中から2曲と、自分で自由に選ぶ3曲の合計5曲を演奏することで試験とされる。
グレードに合わせた教材は実践的な内容
各グレードにはそれぞれ教則本が用意されており、日本からはAmazonで購入が可能だ。
Amazon.co.jp : rockschool guitar
受験するグレードに合わせた教則本の内容を把握していくことで攻略できるが、これに沿って演奏や勉強などの準備を進めていく過程で、その楽器に必要とされる技術や音楽的知識が、無駄なく身に付けられるようになっている。なお、教則本は現在英語版のみ入手可能だ。
受験方法、適正グレードの確認、日本語環境のサポート
試験は対面(Face-to-Face)や動画チャット(Live Digital)で行なわれる。また、遠方で受験地に足を運べない人には、録画した動画データを提出する“Recorded Digital”という形式があり、日本では現在、動画チャットまたは動画提出のどちらかを選べる。
では、自分の今のスキルでどのグレードを受ければ良いのだろうか? ここは、アメリカンギターアカデミーが力になってくれる。同校は“Rockschool”検定の日本独占提携校であり、受験の意志がある人は同校の生徒でなくとも無料で30分のコンサルテーション・レッスンを受講することが可能だ。このレッスンを通して、楽器の演奏歴などの基本情報と“Rockschool検定”の各グレードが要求する習熟度を照らし合わせて、自分に適切なグレードを確認してもらえるのだ。なお、同校の生徒に向けては本格的な対策レッスンも展開されている。例えば先述の通り、英語のみで書かれている教則本の解読をサポートしてくれるといったメリットなどがある。
動画提出形式の“Recorded Digital”の受験生でも、コンサルテーション・レッスンを受けることは可能だ。東京の六本木校や横浜校など最寄りの教室に足を運べればそちらで、もしくはオンラインで受けることができる。さらに、教室で実施される受験は次項のとおり受験日や出願締切が決められているが、動画提出形式の場合はいつでも出願と受験が可能だ。
現在グレードの内容は英語のみで公開されているが、近く日本語にも対応するとのこと。英語の理解力を不安に感じる人は、現時点ではコンサルテーション・レッスンを受けることが確実といえる。
過去の日本での受験実績と次回の受験日程
日本国内で“Rockschool”試験の第1回が開催されたのは2022年1月。アメリカンギターアカデミーの生徒に応募資格を絞った形で行なわれており、すべての受験生が合格。「Merit(約75%以上の得点)」を獲得した生徒もいるなど、順調な成果をみせた。
第2回は今年5月末に開催され、やはり同校の生徒が講師のガイドを元に準備を整えて受験に臨んだ。楽器もエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ウクレレと様々だった。
そして、第3回となる“Rockshool”検定の試験は一般募集となり、今年冬に下記の通り開催される。自らの腕試しをするもよし、親子揃ってレベル・アップを競うもよし。世界に通用するミュージシャンの資格を目指してみてはいかがだろう?
第3回“RSL Rockshool Exam”検定(日本国内)実施概要
日程・会場
日程:2022年12月9日(金)・10日(土)
会場:アメリカンギターアカデミー六本木校
住所:〒106-0032 東京都港区六本木4-5-8 MH六本木2階
アクセス:
東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線 六本木駅より 徒歩1分
東京メトロ南北線 六本木一丁目駅より 徒歩9分
東京メトロ千代田線 乃木坂駅より 徒歩10分
受験の対象となる楽器
エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、エレクトリック・ベース、ウクレレ、ヴォーカル
受験料
動画チャット形式(Live Digital)(税込)
Premier / 11,000円
Debut / 13,000円
Grade 1 / 15,000円
Grade 2 / 16,000円
Grade 3 / 18,000円
Grade 4 / 20,000円
Grade 5 / 22,000円
Grade 6 / 26,000円
Grade 7 / 28,000円
Grade 8 / 31,000円
動画提出形式(Recorded Digital)(税込)
Premier / 10,450円
Debut / 12,350円
Grade 1 / 14,250円
Grade 2 / 15,200円
Grade 3 / 17,100円
Grade 4 / 19,000円
Grade 5 / 20,900円
Grade 6 / 24,700円
Grade 7 / 26,600円
Grade 8 / 29,450円
受験定員
なし
出願締切
2022年10月15日(土)
コンサルテーション・レッスンについて
コンサルテーション・レッスンを希望する場合、下記の基本情報を事前に伝えておくと適正グレードの確認がスムーズにできます。メールの場合は本文に下記の項目を記入して下さい。電話の場合は、口頭でお伝え下さい。
基本情報(太字は必須事項)
- 受験する楽器
- 受験する楽器の演奏歴
- 受験時に希望する言語
- 年齢
- 現在感じている、テクニック面での長所や短所
- 好きな音楽スタイル
お申し込み・お問い合わせ
アメリカンギターアカデミー(THE AMERICAN GUITAR ACADEMY)
受験に関する一般的な質問、コンサルテーション・レッスンの申し込み:
メール:info@theamericanguitaracademy.com
電話:03-5834-7278(日本語OK)
出願申し込み:
マイケル・キャプラン(アメリカンギターアカデミー校長)MichaelKaplan@rslawards.com
カール・ヘリング(アメリカンギターアカデミー講師) CarlHerring@rslawards.com
電話:03-5834-7278 (日本語OK)
インフォメーション
RSL Rockschool Exam日本公式ページ
RSL Awards Japan – Awarding the Contemporary Arts
アメリカンギターアカデミー 公式ウェブ
アメリカンギターアカデミー