Helix / Line 6 〜サウンド解説編〜(Web版ダイジェスト)

Helix / Line 6 〜サウンド解説編〜(Web版ダイジェスト)

Line 6 - Helix

※この記事は、ヤング・ギター2016年9月号に掲載された記事をウェブ用に再構成したものです。
本文や文末のスペックは公開当時のものを掲載しているため、最新の情報とは異なる場合があります。

先月号(2016年8月号)のLine 6“Helix”特集では機能と基本操作に焦点を当てて解説し、ウェブでもその簡易版を紹介したが(Helix / Line 6 〜基本操作編〜(Web版ダイジェスト))、今回はクリーン・トーンと歪み系の実践的なサウンド・メイク方法を説明していく。

記事の最後に紹介するのは、ギタリストのISAO氏による今回の内容と連動したデモンストレーション動画だ。実際に彼がレコーディングやライヴなど色々な現場で使用しているサウンドを丁寧に解説してくれているので、是非チェックしてみよう。そして、本誌掲載スコアの楽曲サウンドを再現したプリセットも公開している。本機を所有している人は、ぜひページ下のリンクよりダウンロードして試してみよう。

なおこちらのダイジェスト版には歪み系の解説のみを抜粋して掲載しているので、より詳細なサウンド・メイク方法に関しては本誌2016年9月号も併せて参照していただきたい。

Helixにおける歪み系サウンドの作り方

歪み系サウンドを構築する際に目指したのは、CDで聴けるような左右2チャンネルのバッキング・サウンドを1人で再現できる音色だ。まずは歪みの要となるアンプの選択。なんと53種類ものタイプが内蔵されており、そのどれもがシミュレートの元となったアンプの挙動を正確に再現している(P-1)。王道の英国サウンドなら“Brit J-800”、アメリカンなハード・ロック系なら“PV Panama”…といった具合に好みのジャンルに適したアンプが必ず見付かるだろう。ちなみにLine 6のオリジナルも5タイプ内蔵しており、こちらの完成度も非常に高くオススメだ。

P-1
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次はキャビネットの選択に移ろう。ヘッドとアンプの最適な組み合わせが初めから設定されている項目もあるが、より細かくサウンド・メイクする時は、やはり個別に選択した方が良いだろう。キャビネットには2×12インチや4×12インチなど様々なスピーカー構成のタイプが30種類内蔵されている(P-2)。

P-2
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さらにここではマイクの種類も選べるのがポイントだ(P-3)。“57 Dynamic”や“421 Dynamic”、“87 Cond”や“414 Cond”といった、レコーディングの現場で使用されている代表的なマイクをシミュレートしたものがズラリとラインナップされている。ダイナミック/コンデンサーの両タイプを切り替えてみると、単にトーン的な要素やレンジ感が変わるだけでなく、“57〜”での鋭いアタックが“87〜”では柔らかめになったり、“57〜”ではスピーカーの振動が目に浮かぶような素速いレスポンス感が、“87〜”ではキャビネットの奥行きや周囲の空間まで見えそうな精密感になるなど、アンプを鳴らすスタジオが変わったかのように感じるほど劇的にサウンドが変化する。マイキングに詳しくない人でも、タイプを選ぶだけで適切な設定が初めからされているので安心だ。

P-3
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こうして選んだタイプを上下2段のラインに別々に配置する(P-4)。そしてアンプの種類を違うものにすることで、まるで2人のギタリストが弾いているようなサウンドになるのだ。ただしこのままでは異なる音色をただブレンドしただけの不自然さが残るので、上下どちらかの系統にピッチ/シンセ・エフェクトの“Pitch Shifter”をインサートし、音程をほんの数セントだけズラして配置。最後に音の定位を左右に振り分ければ完成だ。リアルなダブル効果が得られ、全体的に分厚いバッキング・サウンドを構築することができた。ここまでの操作は非常に直感的に行なえるのでぜひ試してみて欲しい。

P-4
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Helix デモンストレーション動画〜サウンド解説編〜 Demo by ISAO

サウンド・プリセットのダウンロード

下記リンクより、ヤング・ギター2016年9月号掲載スコア曲のギター・サウンドを再現したプリセットがダウンロードできます。
楽曲名:
エクストリーム「Li’l Jack Horny」
クイーン「I Want It All」
スコーピオンズ「Virgin Killer」
http://jp.line6.com/customtone/profile/YOUNG-GUITAR/

Line 6 Helix スペック

●プリセット数:1024
●内蔵エフェクト数:ディストーション×16、ダイナミクス×5、EQ×5、モジュレーション×20、ディレイ×14、リヴァーブ×12、ピッチ・シフター/シンセサイザー×5、フィルター×3、ワウ×10、ヴォリューム/パン×3
●内蔵アンプ・モデル数:アンプ×53、キャビネット×30
●内蔵マイク・モデル数:16
●コントロール:PRESETノブ、SAVE、MENU、HOME、AMP、ジョイスティック、BYPASS、ACTION、PAGE×2、VOLUMEノブ、PHONESノブ、コントロール・ノブ×6、フットスイッチ×12、エクスプレッション・ペダル、POWERスイッチ、GND/LIFTスイッチ
●入出力端子:EXP2、EXP3、EXT AMP、CV、GUITAR IN、AUX IN、MIC IN、SEND/RETURN×4、XLR OUT×2、1/4″ OUT×2、PHONES、VARIAX、MIDI IN、MIDI OUT/THRU、S/PDIF IN、S/PDIF OUT、AES/EBU L6 LINK OUT、USB
●外形寸法:560(W)×92(H)×301(D)mm
●重量:6.6kg
●価格:¥オープン・プライス

公式サイト:http://line6.jp/helix/

お問い合わせ:Line 6 インフォメーションセンター 0570-062-808 / 03-5488-5472

お詫びと訂正

※本誌記事99ページに掲載したP-8の写真は誤りです。
正しくは当ページ内のP-4の写真となります。

読者の皆様及び関係者の皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしましたことをお詫び申し上げます。