ハイ・インピーダンスとロー・インピーダンスの違いは?

ハイ・インピーダンスとロー・インピーダンスの違いは?

ハイ・インピーダンスとロー・インピーダンスの違いは?

ハイ・インピーダンスとロー・インピーダンスの違いは何ですか? それと、インピーダンスが違うエフェクターを繋ぐと本来の音が出ないなどと聞いたことがあるのですが、具体的にどんな問題が起こるのか、どうしたらベストなのか教えてもらえると嬉しいです。

(真野/20代/男性)

あまり気にし過ぎる必要はないですが、例外もあります

インピーダンスとは電気抵抗のことです。
すなわちハイ・インピーダンスは抵抗値が高く、ロー・インピーダンスは抵抗値が低いということになります。

古典的な例えになりますが、水道のホースで水を流すことを考えてみましょう。ハイ・インピーダンスは電気的にホースが太い状態でロー・インピーダンスはその逆です。太いホースの水流をすべて受け取るには、同じサイズのホースかそれよりも太いサイズのホースを用意しないと水が漏れてしまいますよね?

これを踏まえて、ギターから出力される電気信号はハイ・インピーダンス(パッシヴ・ピックアップの場合)ですが、ギター用に作られたエフェクターやギター・アンプのインプットは、電気信号のロスがないようにそれよりも大きいインピーダンス、つまりより太いホースで作られています。このような状態を作ってあげないと音質的に劣勢になってしまうというわけです。

オーディオ・インターフェイスにはHi-Zスイッチ、マルチ・エフェクター等にはライン入力やギター入力等、接続機器に合わせて異なる入力端子が用意されていますが、これはインピーダンスのマッチングを行なうためというのが1つの理由です。

機器同士のインピーダンスのミスマッチングが起こると音痩せします。特に高域が足りなくなる、いわゆるハイ落ちが顕著です。DAWをやっている人で手持ちのオーディオ・インターフェイスにHi-Zスイッチがあれば、ギターを弾きながらオン・オフしてみると分かりやすいですよ。

ちなみに、一般的にエレクトリック・ギターの出力インピーダンスは約200kΩ~500kΩ(パッシヴ・ピックアップの場合)、エフェクターやギター・アンプの入力インピーダンスは約1000kΩ、エフェクターの出力インピーダンスは約10kΩ…となっています。

上記の法則に基づくと、基本的にギター用のエフェクター同士を接続する場合のインピーダンスのミスマッチングについてはあまり気にしすぎる必要はないです。

例外としましては、ヴォリューム・ペダルのように、インピーダンス環境によって使う機種または設定が異なるエフェクターが存在します。

下記の写真はロー・インピ用のアーニーボール“Volume Pedal”、ハイ・インピ用の同“Stereo 25k Ohm Pedal”、最後はShin’s Musicの“Baby Perfect Volume Hybrid”で、こちらは1台でハイ(パッシヴ)とロー(アクティヴ)の切り替えが可能になっています。

こういったエフェクターを、ハイ・インピーダンスであるエレクトリック・ギターから1番目に繋ぐ場合はハイ用に、他のエフェクターの後に繋ぐ場合はロー用に入力しないと上手く動作しません。

なお、EMG等のアクティヴ・ピックアップ搭載のエレクトリック・ギターの出力インピーダンスは約10kΩで、エフェクターの出力インピーダンスと同等です。この場合、エレクトリック・ギターから1番目にヴォリューム・ペダルを繋ぐ場合はローに接続でOKです。

この質問に回答してくれたのは…

NASH
NASH

ESPミュージックスクール