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マシーン・ヘッド 2018.7.2 @渋谷TSUTAYA O-EAST

レポート●奥村裕司 Yuzi Okumura Pic●Yuki Kuroyanagi

MACHINE HEAD

前回来日からちょうど3年──北米ヘヴィ・グルーヴ総番長:マシーン・ヘッドが待望の日本再上陸を果たした! 今回は東・名・阪に加え、広島と福岡も廻るということで、西日本方面のファンを大いに喜ばせたにもかかわらず、あの記録的な豪雨の影響により、残念ながら福岡公演はキャンセルに…。いや実は、意外な形でバンドの演奏は執り行なわれたのだが、それについては後述するとして──ここでは渋谷TSUTAYA O-EASTでのツアー初日の模様から、まずはお伝えすることにしよう…!!

お馴染み、オジー・オズボーンの「Diary Of A Madman」を開演の合図に、ショウは3年前と同じく「Imperium」(’03年『THROUGH THE ASHES OF EMPIRES』収録)でスタート。のっけから場内は凄まじい熱狂に包まれ、早速ロブ・フリンが「サぁークぉーピぃっっ!!!」と絶叫すると、フロアには大きな人の渦が出現する。続いて、「速い曲が聴きたいか?」とロブ。すると、今年初頭リリースの最新作『CATHARSIS』から「Volatile」が炸裂し、もうこの時点で、観客のテンションは一気にレッド・ゾーンを超えてしまっていた。

バンドもオーディエンスも、最初からこんなにトバして大丈夫なのか…? ちょっと不安になるも、マシーン・ヘッドのライヴにはペース配分など不要!とばかりに、以後もステージ上のエネルギーとフロアのエネルギーが容赦なくぶつかり合い、盛り上がり曲線は急カーブで上昇しっ放し。曲間に何度も何度も“MACHINE F**kin’ HEAD”コールが起こったのも言わずもがなだ。ご存知の通り、ここのところ彼等は“An Evening With MACHINE HEAD”と称し、2時間半を越える大ヴォリュームのライヴを常としており、それは今回も同様であった。いや…実際には2時間50分近くに及び、前回以上の長丁場に。それでも、中だるみが全くなかったのは本当に凄い。ロブはこのライヴの時点で50歳、その相棒:フィル・デンメルは51歳、ドラマーのデイヴ・マクレインは52歳というからビックリ…! 恐るべき超絶倫アラフィフ軍団である。

MACHINE HEAD - Phil & Rob

当然、演奏のキレも申し分なし。ロブ&フィルのコンビネーションは正に鉄壁と言う他なく、重量級のリフも、速弾きソロも、叙情ツインも──そのすべてが激情に満ちており、暴れる気マンマンのオーディエンスのメタル魂を揺さぶりまくったに違いあるまい。またショウ中盤には、「Philanthropy」と題されたフィルのソロ・タイムがあり、ロブがアコを弾きながら長々とMCするまったりタイムがそれに続き、そこから『UNTO THE LOCUST』(’11年)収録曲「Darkness Within」へ雪崩れ込む流れは(前回来日時と同様ながら)なかなかドラマティックだった。その後ロブは、終盤の「Descend The Shades Of Night」(『THROUGH THE ASHES OF EMPIRES』収録)でもアコをプレイ。この曲も静から動への展開が見事で、中間部の劇的なツイン・リードに、思わず身を乗り出してしまったという人もいたのでは?

新旧のレパートリーが絶妙に並べられ、違和感なく併存していたのにも注目したい。キャリアが長いバンドの場合、ウケまくるのは初期からの定番曲ばかりで、近作からのナンバーでは途端に盛り下がってしまう…といったことが起こりがちだが、マシーン・ヘッドのライヴにおいてはそうはならない。例えば、セカンド『THE MORE THINGS CHANGE…』(’97年)収録曲「Ten Ton Hammer」から’16年のシングル曲「Is There Anybody Out There?」が続いても、’14年作『BLOODSTONE & DIAMONDS』収録曲「Killers & Kings」の次にデビュー作『BURN MY EYES』(’94年)収録曲「Davidian」がプレイされても、オーディエンスのノリは急変することなく、モッシュやヘドバン、サークル・ピットの勢いが鈍ることもなかった。

そして──実質的にショウ本編とアンコールの区切りがなく、計23曲が披露されたこの日のセットは、今や彼等の代表曲としてライヴで欠かせない「Halo」(’07年『THE BLACKENING』収録)で大団円を迎える。暗転して「Diary Of A Madman」が流れ始めたのが19時23分頃、終演後ロブが「We’re MACHINE F**kin’ HEAD! Gooooood nightttt!!」と締めくくったのが22時17分頃。文字通り全身全霊を傾け、死力を尽くしてすべてを出し切ったロブは、心地好い疲労感と共に笑顔を浮かべていた。他のメンバーも、フロアの観客達も、みんな満足気な表情だ。終わってみれば、3時間弱だってあっという間…。誰しもが、次の来日に早くも思いを馳せていたのではないだろうか。

MACHINE HEAD - 3

ところで──7月8日の福岡公演だが、上記の通り豪雨の影響で機材が届かず、中止を余儀なくされてしまった…ものの、メンバーは揃っていたため、急遽レンタル機材を取り寄せ、TEN TON HAMMER名義でスペシャルなショウが行なわれることとなった! そのチケット代金は、何と破格の2,000円…! 何ともファン思いの粋なはからいではないか。しかも、マシーン・ヘッドの楽曲に加えて、ジューダス・プリーストやアイアン・メイデン、ブラック・サバスやAC/DC、スレイヤーやメタリカ、システム・オブ・ア・ダウンやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ヴァン・ヘイレンやアクセプト、セパルトゥラ、果てはジャーニー(!)などのカヴァーを和気藹々とプレイしまくったというから面白い。そのレアなライヴを体験出来たファンには、きっと一生忘れられない出来事になったことだろう…!!

マシーン・ヘッド 2018.7.2 @渋谷TSUTAYA O-EAST セットリスト

1. Intro〜Imperium
2. Volatile
3. Intro〜Now We Die
4. Beautiful Mourning
5. The Blood, The Sweat, The Tears
6. Kaleidoscope
7. Intro〜Clenching The Fists Of Dissent
8. Philanthropy:Phil’s guitar solo
9. Darkness Within
10.I ntro〜Catharsis
11. From This Day
12. Ten Ton Hammer
13. Is There Anybody Out There?
14. Intro〜Locust
15. Beyond The Pale
16. Deez Nuts:drums solo
17. Bulldozer
18. Killers & Kings
19. Davidian
20. Descend The Shades Of Night
21. Triple Beam
22. Aesthetics Of Hate
23. Game Over
24. Old
25. Halo