アーティスト名 | DRAGONFORCE ドラゴンフォース |
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アルバム名 | THE POWER WITHIN ザ・パワー・ウィズイン |
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ZPサート(vo)脱退の衝撃から1年余──英産音速パワー・メタラーが、前作『ULTRA BEATDOWN』(’08年)から初ライヴ作『TWILIGHT DEMENTIA』(’10年)を挟み、スタジオ新作5枚目を…待望のリリース! オーディションで迎えられた無名のニュー・シンガー:マーク・ハドソンは、やはり線の細いハイトーンが武器で、ZPほどの鋭さはないものの、ヴォーカル・スタイルは近いモノがあるので、そう違和感を覚えることはないだろう。サウンドの方向性も、間違いなくこれまでの延長線上で、陽性のメロディーが爆走するあの“激速ドラフォ節”はしっかり堅持されている。
ただ、収録各曲の尺を見て驚いた。バラード調からスタートする7分台が1曲あるだけで、他はすべて4〜5分台。ここにきて彼らは、楽曲のコンパクト化に挑んだのだ。よって、お馴染みの延々と続くソロ・バトルはやや控えめに。また、一部ブルージーな“遅弾き”も意外ながら、“Whammy”“Hot Hand”などを駆使したトリッキーなプレイは変わらず満載されており、1つ1つのソロ・パートはこってり濃縮されたような印象だ。他にも、シンセからギターレスで始まる⑨、まんまランニング・ワイルドな⑧のサビメロ始め、ちらほら新味もある中、ケルティックな旋律を組み込んだ佳曲③の存在も特筆しておきたい。
(奥村裕司)