
’24年にドイツの巨大フェス“Wacken Open Air”に出演を果たし、海外からも注目を集めている激烈ジェント/サール・バンド:PARAMENAが、’25年12月20日、新宿ANTIKNOCKにて“30弦復活”ライヴを行なった。
’23年3月、前身バンドから転生し、yu-to(vo)、皇(g)、Saya(g)、zima(g)、フータ(b)、Shunya(dr)という6人組でスタートを切ったPARAMENAは、当初より“8弦ギター×3+6弦ベース=30弦”という驚異的編成を誇っていた。ところが、Wackenフェスから帰国後、程なくしてメイン・ソングライターの皇が脱退。それにより、しばらくは5人組“22弦バンド”での活動を余儀なくされる。
しかし、皇の後任はごく身近にいた。実はバンド始動直前にも声を掛けていたという8弦ギタリスト:MASAToooN!が、’25年10月に正式加入を果たしたのである。これまでも両者の親交は深く、度々コラボしたりライヴ共演する仲だったから、ある意味で加入は必然だったのかもしれない。

ただ、“音の魔法の旅”をコンセプトとするソロ活動においては、クリーン・トーンで“癒し系”とも言える路線を主とするMASAToooN!が、かつて“ジェント極道”をキャッチ・フレーズにしていたエクストリームこの上ないPARAMENAとどう融合するのか、期待半分、不安半分…といったところではあった。ヒントとなるのは、’23年12月に“feat. MASAToooN!”として公開された「Beyond The ArkLights」だが、果たして…。

ではここで、ライヴの内容に迫る前に──まずは、MASAToooN!についての基本情報を記しておこう(Sayaとzimaの基本情報は下記に掲載)。
本人が語る MASAToooN! 基本情報
ギターを始めた年齢とキッカケ
14歳の時、ライヴハウスで店長さんが演奏していた、パンテラのカヴァー・バンドを観て衝撃を受け、自分でも演奏したい衝動に駆られてギターを始めました。
ギター習得はどのようにして?
完全に独学です。少しでも気になったプレイヤーのライヴに足を運んだり、動画をひたすら観まっくたり、ヤング・ギター含め雑誌などでインタビュー記事やTAB譜をチェックしたりするのは、今も続けている習慣であり、ライフワークです。
影響を受けたギタリスト
クリーンのスタイルでは、Ichika Nitoとコヴェットのイヴェット・ヤング、メタル方面では、パンテラのダイムバッグ・ダレルとペリフェリーのジェイク・ボーウェンです。
これまでの音楽遍歴
元々ピアノを演奏していたこともあり、クラシックや映画、ゲームの劇伴が好きでした。ギターを始めるキッカケと同じくしてメタルを聴くようになり、他は流行りの音楽やオススメされた音楽を聴いて楽しむことが多いです。どのジャンルも共通して、メロディや展開が美しく世界観を感じられる音楽が好きです。
多弦ギターを手にしたキッカケ
東方Projectのメタル・アレンジ・サークル:The Last Battalionのライヴを観て、8弦ギターという楽器があることを知りました。その後、11弦ベーシスト:ジーン・ボーダンのように、楽器1本で奏でる音楽を演奏し、今日に到ります。
PARAMENA加入以前の活動
8弦ギター1本で奏でる、モダン・ソロ・ギターというジャンルの音楽を演奏しています。PARAMENAに加入した現在も、その活動と並行して、全国のレストランやカフェ、公共施設や水族館などで演奏したり、音楽機材の監修やデモ演奏に携わらせて頂いています。


MASAToooN!の個性がPARAMENAと融合
そして──対バンのSLOTHREATが“メタル・コア+J-POP”といった独自サウンドでフロアを沸かせ、セット・チェンジを経て、いよいよPARAMENAの“30弦復活”となるショウの幕開けだ。午前11時半開演という、ちょっとイレギュラーな早い時間のイベントながら、集客は上々。12時半、激しいダブステップのパリピっぽいイントロSEに導かれ、“和”のエッセンスを盛り込んだ「VERGE of “0”」からPARAMENA新生“30弦”劇場がスタート!

のっけから激烈さ全開で、琴の音の上にウルトラ・ヘヴィな刻みと咆哮ヴォーカルが乗るこの曲は、外部ライター提供ながら、すっかりPARAMENAナンバーとなっている。続いて、もっと苛烈な「Anima」が炸裂すると、ここで新生30弦の妙味が一気に解放される。後半部のSaya&zimaのツイン・リードがより際立つアレンジになっていたのだ。


ここまでMASAToooN!の見せ場はあまりなく──しかし、特に違和感なくバンドに溶け込んでいて、ソロでは大人しいイメージの“夢と魔法の世界”の番人が、笑みを浮かべながらザックザク刻みまくっていることに、ひたすら感心するのみ。…と思ったら、彼が加わって最初のシングル「Lucid.sys」で、遂にMASAToooN!ならではのフレーズが解き放たれる。凶悪な鬼刻みとは対照的とも言える夢見るようなタッピング・フレーズに、「あ〜、これこれ!」「待ってました!」と思わず身を乗り出したファンも少なくなかったろう。

さらに、MASAToooN!ワールド全開…というか、彼のペンによる新曲「Tsukuyomi.dll」が続くと、もう早くもMASAToooN!の個性はすっかりPARAMENAの世界観と融合しているのだな…と、誰しもが納得し、それを歓迎したに違いない。尚、この日ライヴ初公開となった「Tsukuyomi.dll」は、今年──’26年に入ってすぐ、1月2日にリリースされたばかり。「Lucid.sys」に続く、3ヵ月連続リリースのシングル第2弾という点も注目したい。



以降はもう、PARAMENAが生み出したジェント・ニュー・スタンダード・サウンドに、ただひたすら身を委ねるだけだ。「Reverie」の静パートでは、フータのベースがウネウネ蠢き、ヘヴィ・リフがザクザク刻まれるその上で、MASAToooN!のクリーンがより映え、「Oblivision」の終盤にはzimaの技巧ソロが爆裂し、「Oxcuras(Redux)」には流れるようなツイン・フレーズが盛り込まれいて、ヘドバンもモッシュも忘れて思わず見入ってしまった…というギター・マニアも大勢いただろう。
またショウ後半からは、レーザー照明を使って視覚的にもPARAMENAワールドに広がりと彩りをまとわせ、ちょっとしたトランス状態を生み出したりも。あと見た目のインパクトという点では、三者三様に個性を競うそれぞれの8弦ギターについても特筆しておかねばならない。


まず、Sayaが駆るのはESPのカスタム・ギター、その名も“SAYA”で、zimaの8弦はGOC Guitarsの“Materia+”、そしてMASAToooN!の愛器はFutra製のシグネチュア・ギター“FHL-MSTN”だ。どれも独特のフォルムが目を惹き、プレイ以前に楽器本体にみんな興味津々だったハズ。
そしてショウは、フータの変態ベース・ソロをフィーチュアした「Pyr」から、鬼刻みの極みと高速ツイン・リードがたっぷり味わえる「Mirrorpenta」への流れで、フロアの熱量をさらに何倍にも増幅させ、ラストを飾る「0cide」でバンドも観客も文字通り完全燃焼! 気が付けば、全10曲45分強はあっという間。そういえば、「Exodia」はやらないの? …とも思ったが、それはまた次回以降のお楽しみということで。

最後に──今後の予定を。まず、3ヵ月連続リリースのシングル第3弾「Misthaven.exe」が2月6日公開予定で、4月にはシステム・オブ・ア・ダウンのカヴァー含む5曲入りEP『APEIRON』がリリース、加えて5月に初ワンマン開催決定…と、ジェント/サールの新たな地平を切り拓くPARAMENAの活躍はまだまだこれから──今後は、海外でのさらなる飛躍にも期待大…!!
PARAMENA@新宿ANTIKNOCK 2025.12.20 セットリスト
1. Intro(SE)〜 VERGE of “0”
2. Anima
3. Lucid.sys
4. SE〜Tsukuyomi.dll
5. Reverie
6. Oblivision
7. Oxcuras(Redux)
8. Pyr
9. Mirrorpenta
10. 0cide




