アーティスト名 | LINKIN PARK リンキン・パーク |
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アルバム名 | LIVING THINGS リヴィング・シングス |
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先日の“ミュージックステーション音ズレ事件”。図らずもこれまでリンキン・パークを知らなかった層にも名を売る結果となったが、いずれにしろテレビを通して熱演する彼らの姿はしびれるほどカッコ良かった。さすが生粋のライヴ・バンドと素直に感動した。
重たいコンセプト作だった前作の反動か、アルバム名までもが生々しい新作。件のMステで披露したリード曲③の破壊力は抜群だ。サビに於けるチェスター・ベニントンの熱唱、間髪入れずクロスするマイク・シノダのラップ。このフレーズだけで思わず「お帰り!」と言いたくなる。
更にワクワクするのは、④⑦に於けるチェスターの叫び。特に後者は2分にも満たない楽曲なのに、ハードコア〜フォーク〜ヘヴィ・ロック〜ヒップホップ〜ハードコア…と目まぐるしく構成が変わる。しかし破綻なく聴かせるのは、ひとえにバンドの余裕だろう。
これで通算3作目となったリック・ルービン&マイク・シノダのコンビも絶好調。1曲ごとのキャラクターは異なるものの、“1枚のアルバム”として一気に聴けるのは素晴らしい。約40分と、相変わらずタイトな内容もいい。鍵盤やリズムの冒険が多く、ギターの音によるカタルシスは少ないが、’12年を代表する音として触れておくべきだろう。
(小口正貴)