アーティスト名 | GALNERYUS ガルネリウス |
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アルバム名 | VETELGYUS VETELGYUS |
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8thアルバム『ANGEL OF SALVATION』(’12年)におけるクラシックと融合した14分超えのタイトル・トラックは、まさにガルネリウスの究極型だった。そして2枚のセルフ・カヴァー作を挟み、約2年ぶりのオリジナル・アルバムが完成。前出のシンフォニックな大作志向を突き詰めるのではなく、小野“SHO”正利の親しみやすい歌を前面に据えたガルネリ流メタルを基軸に、新しい要素を導入しながら1曲1曲の充実度と鮮度を高めていった感がある。
勇壮なインスト「REDSTAR RISING」から続く「ENDLESS STORY」は、ライヴでいち早く披露されていたツーバスが唸りを上げる激走曲で、楽器隊による鋭いキメを盛り込んだオープニングに相応しいナンバー。他にも正統メタル・リフで押す「ULTIMATUM」や久々のバラード「ATTITUDE TO LIFE」といった王道がある一方、シンセの旋律も印象的な躍動するリズムの「THERE’S NO ESCAPE」、“様式美 meetsウエスタン”と形容したくなる「ENEMY TO INJUSTICE」、大胆に展開してケルト風メロディーも飛び出すインストの「VETELGYUS」、さらに「SECRET LOVE」ではダンス・ビートを採り入れるなど、今なおチャレンジングな姿勢が伝わってくる佳曲が多い。さらに、天空へと翔け上がる一筋の光の如き哀愁フレーズと速弾きによるコントラストを描くSyu(g)のスタイルは本作でも際立っており、併せてテクニカルであっても決して線が細くならないところが魅力なのだと改めて感じられた。
(早川洋介)