9月10日発売のヤング・ギター2016年10月号には、去る8月20日〜21日に開催された“SUMMER SONIC 2016”の特別レポートを掲載している。誌面ではブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインとオフスプリングの2組にフォーカスしたが、ここでは彼ら以外の出演バンドの中から数組をピックアップし、それぞれのライヴの模様についてかいつまんでお伝えしよう。
(※本レポートは幕張公演のものです)
8.20. Sat.
ALDIOUS
本フェス初出場となったアルディアスは、ソニック・ステージの(オープニング・アクトを除いて)トップ・バッターとして登場。普段は終盤に演奏されることが多い代表曲「Ultimate Melodious」を1曲目に配置する攻めのセットリストで、その他に昨年発表の最新作『Radiant A』収録の「Re:fire」「die for you」などを含む全5曲を激奏した。Yoshiとトキによるツイン・ギター・ワークは実に痛快で、疾走感溢れるリフの刻み、キャッチーなリード弾きなど彼女達らしいプレイを繰り出し、コアなファンから初見の観客までをノックアウト!
THE STRUTS
お昼を過ぎた頃マウンテン・ステージに姿を現したのは、UK発の4人組R&Rバンド:ザ・ストラッツだ。これまでにザ・ローリング・ストーンズやガンズ・アンド・ローゼズといった名だたるバンドのオープニング・アクトに抜擢されたことで話題を集めている彼らは、その新人離れした安定感を誇る演奏と堂々たるパフォーマンスで、初来日公演だったにもかかわらず多くの観客を動員。アダム・スラック(g)が放つワイルドでダーティなギターが印象的だったのに加え、どこかクイーンのフレディ・マーキュリーを彷彿とさせるフロントマン:ルーク・スピラー(vo)の熱演が素晴らしく魅力的だった。
WEEZER
今年4月に10枚目のフル・アルバム『WEEZER』を発表したリヴァース・クオモ(vo, g)率いるウィーザーは、マリン・ステージの5番手に登場。序盤は「Hash Pipe」などヘヴィめな曲で観客をジワジワと盛り上げ、中盤にはMONOEYESのスコット・マーフィーを呼び込んでの特別セッションも挟み、終盤は「Say It Ain’t So」や「Buddy Holly」といったキラー・チューンで畳み掛ける…という、短時間ながら濃密なウィーザー・ワールドが堪能できた。多彩なフレージングで楽曲を彩った、ブライアン・ベルのギター・プレイも特筆しておきたい。
8.21. Sun.
SUEDE
’11年以来、約5年振りに“SUMMER SONIC”のステージへと帰ってきたスウェード。今年1月にリリースした最新作『NIGHT THOUGHTS』を引っ提げて来日した彼らは、リチャード・オークス(g)の奏でるメロウなバッキングを軸とした独自のブリットポップ・サウンドを披露してくれた。「Trash」「The Drowners」「So Young」などきっちりとツボを押さえた選曲も好評価だったようで、ソニック・ステージへと駆け付けた観客は終始そのパフォーマンスに魅了されたのだった!
RADIOHEAD
“SUMMER SONIC 2016”の大トリとしてマリン・ステージに登場したレディオヘッド。冒頭「Burn The Witch」ではダークな照明と空間的な広がりがたっぷりなサウンドを巧みに駆使し、一瞬でその特異な世界観に会場を包み込んだ。ノイジーでラウドなディストーション・サウンドを叩き出した「Airbag」、叙情的なメロディーを丁寧に紡ぎ出した「Let Down」など、ジョニー・グリーンウッド&エド・オブライエンによる生々しく力強いギター・ワークも出色だった。