ATONEMENT／イモレイション

カンニバル・コープスやサフォケイションと並び、ニューヨーク周辺のブルータルなデス・メタル・シーン隆盛を印象付けたデビューから四半世紀越え。４年ぶりに登場するこの10作目は、ツイン・ギターの一方が脱退したままの状態で制作されたというが（現在は補充済み）、殺気と重圧感は最初期と比べてもまったく衰えていない。ビートとリフとリード・パートとグロウルをはっきり分離定位したサウンド・プロダクションに新味が窺われるものの、これまでノイズに埋もれていたリード・ギターが案外多芸でエモーショナルだったことに改めて気がつかされたり。最良のデス・メタルを求め、なおも試行錯誤中。

【文】平野和祥