SAINT OF THE LOST SOULS／ハウス・オブ・ローズ

“LOUD PARK 15”で初来日を果たしたUSメロディック・ロックの大御所による通算11作目。前作は完全にギター・オリエンテッドで、勢いのあるハードな楽曲が多かったが、本作では再び煌びやかなキーボードが随所に登場。特に（１）では彼ら特有の荘厳さが完全復活している。前作同様、ジミ・ベルによるメロディアスかつスリリングなギター・ソロを配したアップ・テンポ・ナンバーもあるが（（４）（11））、全体的にAOR寄りのミドル・テンポ〜バラード調の曲が多い印象だ。実にヴァラエティに富んだ内容で、ジェイムズ・クリスチャンの円熟味の増した叙情的なヴォーカルも素晴らしい。

【文】Masa Eto