アーティスト名 | DRAGONFORCE ドラゴンフォース |
---|---|
アルバム名 | REACHING INTO INFINITY リーチング・イントゥ・インフィニティ |
Amazonでチェック |
ライヴ・ビデオ、ベスト盤を挟んで約3年振りの通算7枚目のスタジオ作となる本作も、どの瞬間を切り出しても“ドラフォ印”が顔を出す安心の出来栄えに。毎作リリースの度につい「速さは正義だ!」と叫ばされてしまう、初期から一貫したスピードへのこだわりはそのままに、近作で導入を続けている奥行きの深さ&幅の広さも成熟の域に達しようとしており、本作ではブルータルとも言えるアグレッションの付与も非常に効果的だ。これまでの作品のどれかで聴いたようなメロディーや展開を頻発させながらも、そうした新機軸で全体を新鮮な驚きでラッピングしていくそのパワーは本当に驚異的でしかない。
破綻寸前の危うさが魅力だった初期の佇まいが嘘のように、すっかり「安定した演奏を聴かせる巧いバンド」になってしまったが、ハーマン・リ&サム・トットマンの曲芸ギター・プレイは相変わらずスリル満点。終わるかと思いきや全然終わらない長尺のソロ(笑)でも耳を惹き付け続ける「勢いと構築美のバランス力の高さ」はシーン随一と言っても過言ではないだろう。本作で3作目を数えるマーク・ハドソン(vo)の堂々たるフロントマンっぷりも実に頼もしく、ZIGGYの名曲「Gloria」のカヴァー(!)のサビ部分における日本語歌唱もなかなかのもの。6月に決定しているこの新作を引っさげての来日公演は見逃せない!
【文】羽田幸一