YGお馴染みの8弦ギタリスト:ISAOと、様々なシーンで活躍している実力派ヴァイオリニスト星野沙織がタッグを組んだ新ユニット“soLi”が誕生した。ヤング・ギター2月号では2人のインタビューに加えて収録曲の奏法解説を掲載しており、誌面に連動した特別デモンストレーション映像も用意した。誌面に4つ、本ページに5つの計9譜例を紹介しているので両方合わせて楽しんでほしい。
さらに今回、星野もデモンストレーションに参加してもらったので、Ex-8とEx-9に関してはヴァイオリン・パートも掲載してある。ギターの五線譜と変わらないのでコピーにチャレンジするのはもちろん、これを機にヴァイオリンも始めてみては!?
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Openingオープニング
Demo「Burning Blood」プレイスルー
Ex-1「Burning Blood」サビ前
Ex-2「Burning Blood」サビ
Ex-3「Opening Gambit」Aメロ前半
Ex-4「Opening Gambit」Aメロ後半
Ex-5「the Flamer」ラスト・パート
凄まじいスピードで往復するレガート系フレーズ。3小節目まではピッキングを行なわず、わずかにブリッジ・ミュートをかけた状態から左手でフレットを強くハンマリングし、パーカッシヴに発音していこう。譜面上の左手TAPで示した箇所は弦移動時の最初の1音となり、発音が弱くなりがちなので注意しよう。とにかく音数が多いため、厳密な7連符を目指すというよりは“なんとかして2拍に14音を詰め込む”といった意識で弾いてみるのがベターだ。4小節目3、4拍は9連符となるが、ここも全速力で指定の18音を駆け抜け、5小節目の1拍(1弦14f)に間に合わせるイメージで弾いてみよう。
Ex-6「Plasma」イントロ
様々な運指パターンが入り組んだマイナー・ペンタトニック系のタッピング・フレーズ。右手TAPが2連続する部分はピックを持った状態であれば中指TAP→薬指TAPという順序で処理していくことになるが、慣れていないとリズム/発音ともにブレやすい部分なので要練習だ。1小節目の3拍、2小節目の1拍で3連16分が絡む部分もリズムがブレやすいので、2回の右手TAP間でしっかり8分のリズムをキープするように。2小節目の3、4拍でそれぞれ末尾に出てくる左手TAP部分は力強い押弦が要求されるが、勢い余って直前の1音と和音で鳴らしてしまわないよう注意しよう。
Ex-7「Mirror’s Nest」掛け合いメロディー
ヴァイオリンと掛け合いつつ伸びやかに奏でるタッピングの一節。ピッキングでも十分弾けるメロディーだが、敢えてタッピングの柔らかいサウンドで演出することで全体のアンサンブルと優れたバランスを生み出すフレーズだ。スピード的に余裕がありそうに思えるが実はこのゆったりとしたリズムが難敵で、実際に弾いてみると伴奏と合わせ切るのはなかなか難しい。左手TAP部分を明瞭に発音しようとするあまり、押弦時に力み過ぎるとリズムがハシってしまう原因になるので、運指パターンを事前にしっかり憶え込んだ上でリズム管理に集中しよう。7~8小節目のフレーズも通常であれば高速でピロピロと繰り返したくなる類の運指形だが、ここは一旦メタル熱を落ち着けて8分できっちり歌わせていくように。
Ex-8「Opening Gambit」サビ
17小節目まではヴァイオリンとの鮮やかなツイン・リードで奏でるサビのメロディー。エレクトリック・ギターが異なる楽器とハーモニーを作り上げるためには、リズム面での正確なユニゾンはもちろんのこと、“弦をヴィブラートで揺らし過ぎない”、“スライド・イン/アウトで味付けしすぎない”といったピッチ管理の意識が重要だ。譜面上の表現指定箇所とともに、本人らの演奏の工夫を映像で確認してみて欲しい。
18~21小節目は高難度のネオ・クラシカル系シュレッド。前半の2小節は8音ずつのモチーフを移動させていくアプローチで、少しブリッジ・ミュートをかけてタイトに発音していくのがオススメ。ポジション移動が入る前後で音が途切れてしまわないよう、左手をオクターヴ間で瞬間移動できるように意識して練習していこう。後半2小節はヴァイオリンとハモりつつ駆け抜けるオーソドックスな4音ずつのスケール下降だが、21小節目から2弦2音+3弦2音の運指パターンのまま下方へ平行移動していくのが特徴的。人差指での2~3弦のジョイント運指を回避して明瞭に発音できる上に、拍のアタマでアクセントもつけやすい押弦パターンなので、左手の素早いポジション移動さえ対応できるならぜひ譜面通りの運指で挑戦してみて欲しい。
Ex-9Ex-9「Quiet Waltz」サビ
5拍子、3拍子が入り組む中、ヴァイオリンとの掛け合いを展開していくフレーズ。ゆったりとしたリズムではあるが、Ex-8と同様に相方パートとの調和を目指してリズムやピッチを細かく意識する必要がある。3小節目の3弦13fのピッキング・ハーモニクスは、実音の1オクターブ上の音を綺麗に出せるポジションしっかり把握した上で鳴らすこと。6小節目は主旋律をヴァイオリンに渡すため、いったんブリッジ・ミュートをかけて伴奏へ徹しよう。7小節目はピッキング・ハーモニクスを含ませてエモーショナルに攻めるように弾くと、直後の静寂をドラマティックに聴かせられるはずだ。最終音となる14小節目の1音はヴァイオリンと全音(長2度)違いで緊張感のあるハモりとなるため、ピッチに最大限の注意が必要。ここは敢えてヴィブラートなしで伸ばすのがオススメだ。