3月4日(木)に開催される配信ライヴ“Shred RACERS ONLINE F3”──日本人ロック・ギタリストによる“速弾き”満載のライヴを国内外に向けて発信する同イベントも第3回を数え、今回は日本が世界に誇る文化の1つである“アニソン”をテーマに、ISAO、SAKI(Mary’s Blood他)、Yuki(D_Drive)という3名のギタリストと豪華ゲスト・ヴォーカリスト陣──森久保祥太郎、SAKI(CYNTIA)、EYE(Mary’s Blood)、さくら“シエル”伊舎堂(Damian Hamada’s Creatures)、さらにヴァイオリニストの星野沙織を迎え(ベースはHAYATO、ドラムは和樹)、過去最多となる参加メンバー10名によるスペシャルな内容が予定されている。
“Shred RACERS ONLINE”の公式YouTubeチャンネルではすでにいくつかのカヴァー動画が公開されているが、今回新たにSAKI(g)、Yuki(g)、SAKI(vo)、星野(violin)という女性アーティスト4名をフィーチュアした「WILD EYES」(水樹奈々)のカヴァー動画が公開となった。和テイストの艶やかな衣装を身にまとった彼女たちがそれぞれに妖艶なパフォーマンスを展開する映像はまさに必見であり、もちろんライヴ当日に生演奏される同曲での彼女たちの熱演にも要注目だ。
このミュージック・ビデオの撮影現場にて、Yuki、ヴォーカルのSAKI、星野、ギターのSAKI(以下ニックネームの“ちゃっきー”)の4名に集まってもらい、「WILD EYES」のカヴァーについて、そして“Shred RACERS ONLINE F3”の見どころなどについて語ってもらった。
この4人ならではの音になっている(ちゃっきー)
──“Shred RACERS ONLINE F3”のテーマは“アニソン”ということで、配信当日は様々なアニソンのカヴァーが披露されるとのことですが、みなさんは元々、アニソンは好きでしたか? これまで、Yukiさんは『ドラゴンボール超』の主題歌「限界突破×サバイバー」(氷川きよし)をカヴァーしたり、SAKIさんはCYNTIAで『聖闘士星矢Ω』の主題歌「閃光ストリングス」を発表したり、ちゃっきーさんはMary’s Bloodでアニソンのカヴァー集『Re>Animator』(’20年)をリリースしたりしていますよね。
一同:はい、好きです!
──星野さんはゲーム音楽をカヴァーしたりしていますが…。
星野:はい、ゲーム音楽もアニソンも大好きです。
──今回はそんなみなさんで、TVアニメ『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』のエンディング・テーマだった水樹奈々さんの「WILD EYES」をカヴァーされたわけですが、この曲のことも以前からご存知でしたか?
Yuki:私は知らなかったです。
星野:私は知ってはいましたけど、(『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』のオープニング・テーマである)「甲賀忍法帖」(陰陽座)の方が印象に残ってて…。
ちゃっきー:私はTVアニメもよく観ていて、もちろん「WILD EYES」のことも知っていました。
SAKI:私は──実は水樹奈々さんのファンクラブに入っていたことがあるぐらい、ガチのファンなんです!(笑) 「WILD EYES」は“Shred RACERS ONLINE F3”の選曲会があった時に私から候補として出させていただいて、みなさんと一緒にやれることになって嬉しくて嬉しくて…。
──なるほど、SAKIさんからのリクエストだったわけですね。
SAKI:はい、自分の私利私欲でカヴァーさせていただきました!(笑)
一同:(笑)。
──みなさんがカヴァーされたヴァージョンを聴かせていただいてまず思ったのは、4つの強烈な個性がぶつかり合いつつ、見事に調和もしているということでした。それぞれの感想はいかがですか?
ちゃっきー:最初のアレンジ段階では“ハード・ロック”という感じだったんですけど、沙織さんのヴァイオリンが入ると雰囲気がすごく変わって、この4人ならではの音になっているのではないかと。私のギター・パートはYukiちゃんのテイクを聴く前に録ったんですけど、完成版を聴いたらお互いのプレイがしっかりハマっていたのが嬉しかったです。
星野:私は原曲にないラインを弾かせていただいたのですが、ヴォーカルがあってギターが2本あって…というところで、ヴァイオリンならではの自分の個性をどう出そうかということを考えながらアレンジしていきました。レコーディングの時点では他のパートは仮の音源だったりしたのですが、完成したものを聴くと、SAKIさんの歌があって、ちゃっきーさんとYukiさんのギターがあって、「ああ、みんな集まってきたな!」ってとても感動しました。みなさんに早く聴いていただきたいなと思います。
SAKI:私がヴォーカルをレコーディングした時も抜けているパートがあったんですけど、自分の中で完成形を妄想しながら歌いました(笑)。「みんな絶対に個性的な演奏をしてくるはず」と思って、私の歌がバックの音に飲み込まれてしまわないようにって。で、完成形を聴いた時には「やっぱりみなさん、想像を超えてくるなー!」って嬉しくてニヤニヤしちゃいました(笑)。
Yuki:普段、私はインストばかり弾いてるんですけど…(笑)、やっぱり歌モノには独自の楽しさがあって、今回の「WILD EYES」も自分にとってはすごく新鮮で。どのパートも目立っていてそれぞれが個性的なんですけど、それでも全体が上手く1つにまとまっているのがすごいなって思いました。デモの段階では沙織さんのヴァイオリンは入っていなかったんですけど、完成版を聴いたら「あ、ばっちりハマってるな」って感動しましたね。
お互いのギター・ソロを聴かずに録りました(Yuki)
──各パートのアレンジはどういう風に進めていったのですか?
星野: ISAOさんがギターのアレンジをしてくださったんですけど、ヴァイオリンのソロ・パートについてもご提案してくださって。それでISAOさんが作ってくださったデモをいただいて、それぞれがパーッと録っていくという形でした。
──2本のギター・パートの振り分けは?
Yuki:リズム・パートはISAOさんがアレンジも振り分けもしてくださって、ソロだけそれぞれ自分で考えました。ちゃっきーも言ってましたけど、お互いのソロをまったく聴かずにレコーディングしたんです(笑)。
ちゃっきー:そう、ここからここまでは私、ここからここまではYukiちゃんというのを決めて。
星野:でも、ちゃっきーさんからYukiさんへの流れはすごく良いですよね!
Yuki:あらかじめ(ちゃっきーのプレイを)聴く時間がなくて…。
ちゃっきー:でも完成版を聴いてみたら、すごく…。
Yuki:すごく良かった!(笑) ちゃっきーのソロは最初ゆったりしたメロディーからの彼女らしい速弾きパートがあって、「ちゃっきーのギターだぁ!」という感じでテンションが上がりましたね(笑)。
ちゃっきー:Yukiちゃんならいろいろなプレイをやってくれるだろうなと思って、私は半分くらいはゆっくりめに弾こうと。SAKIちゃんの歌からシームレスに私のソロにいくので、最初にギターらしいチョーキングから入って、前半はメロディックに、後半はバキバキとした速弾き──オルタネイト・ピッキングでガーッと速く弾くところを作って…みたいに組み立てて録っていきました。あと、私の音はフラクタル・オーディオ・システムズ(の“Axe-FX”)を使ったモロにデジタルな音ですけど、Yukiちゃんの方はすごくアンプ感があって。フレージングにしてもトーンにしても、お互いのカラーの違いがよく出ていると思いますね。
Yuki:私はあまり考えてなくて(笑)、いつも通りにギター・ソロを作ろうと思って頭に浮かんできたメロディーを組み立てていった感じです。基本的にはインプロヴァイズしながら、「ここはこんな風にしよう」みたいな形でどんどん作っていきました。
──2人のギター・ソロの後には、星野さんのヴァイオリン・ソロが続きます。ここもインパクトがありますが、どういった意識で弾きましたか?
星野:最初、ヴァイオリン・ソロは落ちサビのヴォーカルへストレートにつながるという形だったんですけど、ISAOさんが「ギター → ギターときてそのまま続くと絶対にパワーが下がるから、あえて落ちサビのところでヴァイオリンに演奏させたらどうか?」と提案してくださったんです。それに、「落ちサビでヴォーカルが入ってくる下でも弾いててほしい」とも言われたので、そうなった時にどういう風に持っていこうかなと…。ヴォーカルとのバランスを考えつつ、でも自分はちょっと弾けたりもするので、そのアピールを入れたり(笑)。
──ちなみに、ヴァイオリン・ソロのバックで鳴っているクリーン・ギターはどちらが?
Yuki:あれはISAOさんです。
──ISAOさんはこのカヴァーでアレンジにギターにと大活躍なのに、今日のビデオ撮影には呼ばれていないと…(笑)。
星野:卒業写真で欠席した人みたいに、画面の右上にISAOさんの写真を入れておきましょうか(笑)。
一同:(笑)。
ちゃっきー:いや、でも本当にISAOさんの八面六臂の活躍にはみんな感謝しています!(笑)
──ギターやヴァイオリンが強烈なプレイを聴かせる中、SAKIさんはどんな意識で歌いましたか?
SAKI:先ほどもお話したように、レコーディングの時点でデモは歯抜けの状態だったので、この超個性的なメンバーの全力の演奏を妄想した音を脳内に流しながら、あまりヴォーカルが後ろに下がり過ぎないようにと考えて歌いました(笑)。
──SAKIさんは水樹奈々さんの大ファンとのことですが、原曲の歌をどれくらい意識しましたか? リスペクトしているからこそ、あまり寄せないようにした…とか?
SAKI:もう、どリスペクトしていますので! 例えば、CYNTIAで浜田麻里さんの曲(’13年発表のシングル「Return to Myself〜しない、しない、ナツ。」) をカヴァーさせていただいたりもしたんですけど、素晴らしい原曲のカラーをどれだけ残すかっていうのはすごく難しいところじゃないですか? 今回は自分から「WILD EYES」をやりたいと言って実現しているので、やっぱり大好きだというキッズ的な気持ちはどうしても出てしまうし、それをあえて隠すのも変だなというのもあって、自分の本能に忠実に歌おうと。本能に忠実であれば、大好きな気持ちと自分のカラーが半々くらいになるだろうと思って、あまり変に自分の中で差し引きをせず、素直に歌いましたね。
星野:私も聴いていて、最初の方は「お奈々様かな?」って思ったほどだったけど(笑)、そこからしっかりSAKIさんの色も出てきて、すごく良い感じになったんじゃないかと!
女性らしさがとても出ているミュージック・ビデオになりました(SAKI)
──では、今回撮影したミュージック・ビデオについても話していただけますか。
SAKI:こういうご時世なので、ソーシャル・ディスタンスを守るためにみんな別々に撮影をしたんですが、それだからこそ、全員が一緒の時の“バンド感”とは違う、みんなの凛然とした美しさを楽しんでいただけると思います。私は和装の衣装を着たことがなくて──みんなは着たことあるの?
他3名:ちょこちょこあるかな…。
SAKI:あれ、みんな着たことあった!(笑) いつもと違う雰囲気のみなさんを見ていただけたら…と勝手にアピールしようと思ったのに!(笑) それはともかく、女性らしさがとても出ているミュージック・ビデオになっていると思うので、ぜひそれぞれのパフォーマンスを観ていただけたらと。
──この4人は、こうして話している雰囲気も良いですし、演奏的にもヴィジュアル的にもとてもハマっていると思うのですが、仮に今後また一緒にアニソンをカヴァーできる機会があるとしたら、何をやってみたいですか?
SAKI:このメンバーなので、私はどメタルをやってみたいですね…。
星野:それこそ「甲賀忍法帖」じゃないですか? この衣装のままで良いし(笑)。
SAKI:確かに(笑)。
星野:この前、お奈々様の「Synchrogazer」(’12年のシングルでアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』の主題歌)を久しぶりに聴いて、こういう曲もかっこいいなって。『マクロス』系もいいですけどね。
ちゃっきー:マクロスやりたい!
SAKI:キラッ☆
Yuki:私はみなさんほどアニソンに詳しくはないんですけど…今回の“F3”でやらせていただく曲はどれも楽しいですし、どんな曲でもこの4人なら良いものになるんじゃないかなと。
──究極を言えば、もはやアニソンじゃなくてもいいとも思いますが(笑)。4人でオリジナルを作っちゃうとか。
一同:確かに(笑)。
日本のアニメやアニソンを、世界の人々にもっと好きになっていただけたら(星野)
──実際にどうなるかはこの先のお楽しみということで…。では、“Shred RACERS ONLINE F3”の本番当日に、それぞれ楽しみにしていることを教えてもらえますか?
Yuki:先日一緒にミュージック・ビデオを撮影させていただいた森久保祥太郎さんを始め、今回は色々な方々と初めて共演させていただくので、どんな化学反応が起きるのかすごく楽しみにしています。
SAKI:会場は無観客の配信ライヴではありますけど、画面の向こうのお客さんに観ていただける機会をもらえたことが、まずはすごく嬉しいです。それにYukiさんや沙織さん、ちゃっきーとはもちろん、他にも初めてご一緒するメンバーのみなさんと一緒にやれることが本当に嬉しくて。(Mary’s Bloodの)EYEちゃん(vo)に会えるのもすごく楽しみ。きっとお客さんたちも楽しみにしてくださっていると思いますが、「私の 方が楽しみにしてるから!」ぐらいな勢いで(笑)、とにかく早くやりたいです!
星野:私はSAKIさんやYukiさんとは今回が初対面なんですけど、もちろん以前からずっと存じ上げていて、「こんなにすごい方たちと…!!」って感激しております。加えてISAOさんがいたり森久保さんがいたり、EYEさんもちゃっきーさんもいて、「あら、夢かしら?」って(笑)。それくらい嬉しくて、すごく楽しみです。あと、全世界へ配信という試みも面白いですよね。世界中で落ち込むことが多かったりする時期なので、こういうアニソンや和風の衣装とか、“日本の力”で世界を勇気づけられるのではないかと。そして日本のアニメやアニソンを、世界の人々にもっと好きになっていただけたらいいなと思っています!
ちゃっきー:今はライヴをする機会も対バンをする機会もものすごく減ってしまったんですよ。だからこうやって、沙織さんやYukiちゃんやSAKIちゃんと一緒にやれるのがめちゃくちゃ嬉しくて…。みんな一緒にいて楽しい人たちばかりですし、その楽しさが観ているお客さんにも伝わるといいなと思います。
Yuki:私は“F1”に参加させていただいて、その時はD_DriveとIRONBUNNYと(CYNTIAの)YUIさん(g)との対バン形式でしたけど、今回はバンドでというより、参加メンバーが混ぜこぜになってコラボする感じが面白いなと。そういういろいろなメンバーの絡みとかも、お客さんに楽しんでもらいたいなと思いますね。ひょっとすると「アニソンは全然知らない」という方もいるかもしれませんけど、でもそこで「知らないからいいや」ではなくて、ぜひ聴いて観てもらいたいです。アニソンって本当にかっこいい曲がたくさんあると思うし、私たちも3月4日の本番に向けて準備をし、努力して、いいものをお見せしようとめっちゃ頑張っていますんで、みなさんもあまり身構えず、軽い気持ちで観ていただけたらいいなと。そこで何かポジティヴなものを感じていただけたら嬉しいですね!
和装女子四人でBasiliskのWILD EYESをカバーしてみた
配信ライヴ『Shred RACERS ONLINE F3』概要
YOUNG GUITAR×文化放送 presents
『Shred RACERS ONLINE F3』- Live show with Japanese Technical Guitar Players –
日程:2021年3月4日(木)
開演: 21:00(日本時間)
視聴チケット:¥3,000
メイキングDVD 3枚セット付き 視聴チケット:¥5,800
▼チケット購入はこちら▼
https://shredracers.zaiko.io/e/online-f3
出演アーティスト:
ISAO(g)
SAKI(g/Mary’s Blood, NEMOPHILA, AMAHIRU)
Yuki(g/D_Drive)
森久保祥太郎(vo)
SAKI(vo/CYNTIA)
EYE(vo/Mary’s Blood)
さくら“シエル”伊舎堂(vo/Damian Hamada’s Creatures)
星野沙織(violin)
券売期間:
2021年1月11日(月)12:00〜2021年3月7日(日) 23:59まで(日本時間)
オフィシャルサイト:
https://shredracers.com/
インターネットショップ:
https://shredracers.official.ec/
オフィシャルSNS:
Twitter→ @ShredRACERS
YouTube→ Shred RACERS
Instagram→ @shredracers
Facebook→ @ShredRACERS
主催:
シンコーミュージック・エンタテイメント
文化放送
トライヘクサレコーディングス