イタリア出身のシュレッド・ギタリスト:フランセスコ・ファレリが新たに発表したギター教則本の日本語版が、電子書籍(Kindle)として登場した。『ペンタトニック XXL』『7弦ギター』という2冊がラインナップされており、その内容を詳しく伝えるため、YGウェブ専用にフランセスコ本人が撮り下ろしのレクチャー映像を提供してくれた。譜面付きの奏法解説とともにお届けしよう。
当ページで紹介するのは『ペンタトニック XXL(エクストラ・ラージ)』。トラディショナルなペンタトニック・スケールにポジションを変更したり音を追加したりなどで、新たな用法を教示する内容だ。具体的なアイデアを2つ見ていこう。
Ex-1は下側の弦で2ノート、1つ上側の弦で3ノート…という2本弦パターンでモチーフを形成し、オクターヴでポジション移動しながら指板をワイドに使っていくアイデアだ。ここでの譜面はあくまでポジションの目安で、実際は各リックを何度か繰り返しながら弾いている。ピッキング箇所は弦移動の瞬間のみに絞っているため、3ノート運指部分の折り返し動作を活かしてスピーディーなレガート感を演出することができるだろう。
譜例に示されているものは第一音がルートとなっている最もオーソドックスなパターンだが、用いるスケールがペンタトニックである以上、同様のメカニズムで全5種類のモチーフを形成可能。動画2:18以降の実演を参考に、自身の得意な運指形を見つけてソロイングに取り入れてみて欲しい。
Ex-1指板をワイドに使うオクターヴ・ポジション移動
※譜面に触れると拡大されます
Ex-2は3ノート・パー・ストリングの運指とストリング・スキッピングでさらなる高速化を図ったもの。譜例の通り最低音をルートから弾き始める場合、人差指と小指のフレット数はどの弦でも常に同じになるのが特徴だ。左手の移動負荷が少ない、非常に効率的な運指パターンと言えるだろう。
ギターの調律上、6弦・4弦・2弦の組み合わせと5弦・3弦・1弦の組み合わせは全く同じ運指パターンで弾くことが出来るため、ロー・ポジションでのストレッチが難しい場合は5弦14フレットのB音から1オクターヴ上で弾いて慣らしていくのがオススメだ。
Ex-23ノート&ストリング・スキッピングで高速化
INFO
『ペンタトニックXXL』
ペンタトニック活用方法
フランセスコ・ファレリ 著
2021年発表