アーティスト名 | JASON BECKER ジェイソン・ベッカー |
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アルバム名 | TRIUMPHANT HEARTS TRIUMPHANT HEARTS |
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デモや発掘音源は何度か出ていたものの、新作となると『PERSPECTIVE』(’96年)以来22年ぶりということになるのか。難病と闘い続ける不屈のジェイソン・ベッカーから久々のアルバムが届いた。スティーヴ・ヴァイやニール・ショーン、ポール・ギルバートなど凄腕13人から成る“Magnificent 13”がリレーした「Valley Of Fire」が先行公開されたことで、本作のギター充実ぶりが予想されていたが、「Triumphant Heart」にマーティ・フリードマン、「Magic Woman」にウリ・ジョン・ロートとクリス・ブロデリック、「River Of Longing」にジョー・サトリアーニやガスリー・ゴーヴァン、「River Of Longing」にトレヴァー・ラビン(重層的なプレイが光る)と異様に強力なゲスト多数。客演がない「Taking Me Back」のような曲でも噛みつくようにワイルドでトリッキーなギター・インストが聴ける。
こうしてギタリストが目立つ部分を書き連ねてみたが、ギター偏重ということはまったくない。「Hold On To Love」やボブ・ディランのカヴァー「Blowin’ In The Wind」のような穏やかな歌モノ、ジェイク・シマブクロのウクレレを効果的に使った映画音楽的な「Fantasy Weaver」など、総合アーティストとしてのジェイソンのセンスこそが本作の肝。そしてプログレチックなシュレッドもあるとは言え、基本的に本作でのギターは“泣き”に根ざしている。『PERSPECTIVE』の「Rain」ほどの壮絶な宇宙感とはまた違うが、狂おしいメロディーの宝庫だ。