フランセスコ・ファレリ最新ソロ・アルバム『PRIMAL INSTINCT』に収録されたシュレッド・インスト「Triumph」の奏法を本人が直伝してくれる連載コラムも、第4回のこちらが最終回。速さ、テクニック共にハイ・レベルなので気合を入れて取り組もう。なお彼は7弦ギターを使用しているので譜例や図も7弦で作成しているが、このフレーズは6弦ギターで対応可能だ。
Ex-4の1~7小節目は、5弦ルートのオーソドックスなスウィープ・アルペジオのトライアドの1弦上に7th、あるいはメジャー7thの音を加えたプレイ。図5~7にポジションを記しておいたので、まずはそれを確認してみてほしい。
スウィープ・アルペジオの1弦上のみに音を加える…というのは、実はよくあるプレイ。で、こういう場合殆どのギタリストは、1弦上に新たに加えた音をプレイするために、小指のスライドか右手のTAPを用いることになる。1小節目のフレーズを例に挙げれば…、1拍目最後の1弦17f(A音)を小指で押弦し、その後の[17f→18f→17f]を小指のスライドでコナす…というフィンガリングが普通になるわけだ。ただ、見ての通りEx-4では、1弦上の音もスライドや右手TAPを用いずに1音1音きっちりピッキングされている。第2回のEx-2の解説でも述べたように、スウィープの折り返し時にハンマリングやプリングを挟まないのがデフォのフランセスコにとっては、この方が自然なのだろう。
余談だが…、YGに登場するギタリストで言えば、ジャッキー・ヴィンセントが同じタイプ。本誌2020年6月号ではジャッキーのスウィープ・フレーズを特集しているので、バックナンバーを持っている人はそちらもチェックしてみてほしい。
そして最後の8小節目は、Dmのアルペジオ。図8の3つのポジションを連結したオーソドックスなものだ。ここでも折り返し時にプリングを使わずに、1弦上の音をすべてピッキングしていることに注目しておこう。
(※譜例はタップ or クリックで拡大)