REQUIEM/KORN:キャッチー化が進みつつもギターはエキセントリックな全10曲

REQUIEM/KORN:キャッチー化が進みつつもギターはエキセントリックな全10曲
アーティスト名KORN
KORN
アルバム名 REQUIEM
レクイエム

CD | ユニバーサル ミュージック | 2022年2月4日発売

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一見さんを寄せ付けない暗黒系モダン鬱ロックのパイオニアだったKORNも、’05年の『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』辺りを頂点に急激にキャッチー化を推進、単なる色物や刺激物ではない音楽性の高さを見せ付け続けて28年。たまに、急に打ち込み系へ舵を切ってドキッとさせる時はあるものの、ここ数作は安定してわかりやすくコンパクトなロック作品を作り続けてきた彼らである。ジェイムズ“マンキィ”シェイファー&ブライアン“ヘッド”ウェルチというツイン7弦ギター体制へ戻ってから4作目となる今回も、基本的には最近の“馴染みやすいKORN”の延長線上。それどころかジョナサン・デイヴィス(vo)の作る歌メロの泣き具合がますます洗練されており、歌モノ(と表現して良いと思う)としての魅力が鰻登りに上がり続けている印象だ。特に「Disconnect」辺りのハーモニーの巧みさはすごい。

ただ、キャッチー化が進んだとはいえども、ギターのエキセントリック度が薄まったわけではなく、全体的に整合感が加わったおかげで聴きやすさがプラスされている。「Forgotten」の変拍子のような不思議リフも、「Lost In The Grandeur」の色々と重なっている面白リフも、まさにこの2人でなければ成し得ない常軌を逸したプレイであろう。内容が濃い分、全10曲という短さで良かった…とも思う。繰り返し聴けるので。