アーティスト名 | GARY MOORE ゲイリー・ムーア |
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アルバム名 | HOW BLUE CAN YOU GET ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット |
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没後10年に合わせて未発表音源集形式のスタジオ新作と、本邦未発売だった生前最終ツアーのライヴ盤(’20年発表)が同時登場。ライヴ盤の圧倒的熱演は当然として、ゲイリーのブルース美学の基本の基本を今一度ダメ押し確認するかのフレディ・キング、エルモア・ジェイムス、B.B.キングといったカヴァーにオリジナル曲も交えた未発表音源集の方も単なる編集盤とは一線を画し、ブルース再探訪時代のレジュメの如き内容。このスタイルでの活動を延々続けたことですっかり手慣れた白熱のパフォーマンス(ギター・ワークはもちろん、全力ブルース歌唱の進歩が驚異的)も含め、“ブルース時代のゲイリー”入門編に最適の高カロリー&バランス栄養食的ブルース・アルバムに仕上がっている。
各音源の録音時期は明記されないようだが、バックを固めるのがベースにピート・リース、オルガンにヴィック・マーティン、ドラムスにダリン・ムーニー(一部グラハム・ウォーカー)ら晩年の定番メンバーたちであることからして、’00年代突入以降の音源中心なのは間違いあるまい。そもそもゲイリーのブルース再探訪は音楽形態に対する愛着のアピールというより、若き日の自分を衝き動かした古のブルースメンの存在感に対する信仰心の再確認だったのだろう…と改めて納得できる絶好のメモリアル・リリースだ。
【文】平野和祥