今年夏、世界的バンド・コンテスト“W:O:A Metal Battle”へ日本代表として乗り込み、世界約30ヵ国の新鋭・精鋭バンドを蹴散らし、見事ぶっちぎりで優勝をかっさらったファントム・エクスカリバー。その凱旋ワンマン・ライヴを渋谷サイクロンで観てきた。
“聖剣の日”とタイトルされたこのライヴは、彼等にとって、波乱に満ちた’23年のまさに集大成となったろう。’08年にファントム・エックスとしてスタートを切って、今年でちょうど15年。’13年にファントム・エクスカリバーと改名して、今年でちょうど10年。HR/HMの聖地:独“Wacken Open Air”における“Metal Battle”優勝は、臥薪嘗胆の末、遂に掴んだ最高の栄誉となった。ただ驚くのは、Kacchang(vo)、Matsu(g, vo)、Tomo-P(b)、Yusaku(dr)という現ラインナップになって、まだ1年も経っていないという事実。Kacchang&Matsuの絆(腐れ縁?)はずっと不変だが、リズム隊の2人が正式加入したのは、今年1月のことだったのだ。
とはいえ、4人は元々よく知った仲。2+2が4だったのは最初のうちだけで、すぐさま極上のケミストリーが育まれ、今年、2+2は10…いや、1000にも10000にも膨れ上がっていたのである。そんなスーパー・パワーは、この“聖剣の日”にも大炸裂! 外国人ファンの姿もあった入魂のライヴは、のっけから白熱しまくり、ひたすら沸きに沸きまくった。
彼等の楽曲はその殆どが疾走感と躍動感に満ち満ちている。つまり、ヘドバン必至ということ。さらには、激しさの一方でキャッチーさも孕む。つまり、共に歌わずにいられないということ。とにかくどの曲も、聴く者/観る者を昂ぶらせて止まないのだ。この夏、ドイツやオランダで初見のオーディエンスが、あれよあれという間に熱狂の渦に叩き込まれたのも納得だし、勿論ここサイクロンでも、「Dragon Avengers」「鋼鉄の誓い」など人気曲が次々と繰り出され、フロア全体が暑苦しいばかりに白熱しまくり…!!
共に歌い、叫びたくなるのはサビやヴォーカル・ラインだけではない。Matsuのアオハル全開な熱奏リード・メロディーも、ついつい「オ~オ~♪」とみんなで合唱したくなるし、KacchangのMCの裏で奏でるアルペジオなどの即興“生BGM”も絶品! 当然、火を噴くシュレッド・ソロは言わずもがな激熱で、それに加えて、鋭いハイ・トーンのセカンド・ヴォーカルとしても欠かせない存在だ。また、そんな八面六臂の活躍を見せるMatsuを横目に、Tomo-Pが故クリフ・バートン(メタリカ)を彷彿とさせるワウ使いでソロ・タイムもコナし、リード・ベースとして大いにアピールしていたことも特筆しておきたい。
尚、このワンマンでは、ファンにはお馴染みのナンバーに加え、10月中旬に公開されたばかりの新曲「Twilight Valkyria」が中盤に飛び出し、欧州遠征を踏まえたもうひとつの新曲「聖剣伝説」も終盤に初披露。特に、Matsuならではのフレーズ・センスが満載された後者は、ファン全員に刺さりまくり、今後「やっさっさ」や「メタルは裏切らない」に匹敵する定番必殺曲になっていくに違いない。
そうして、オープニングSEを含め全14曲+α──約90分に及んだ“聖剣の日”ワンマンを堂々大成功させたファントムだが、既に来年を見据えて色々と動き出している。6月にはスペインの大型フェス“Rock Imperium Festival”への出演が決まっているし、次作に備え、さらなる新曲にも取り組んでいることだろう。頼もしいことにMatsuは、「“Metal Battle”優勝は通過点に過ぎず、ここからが正念場!!」と意気込んでもいる。’24年、世界へ向けてさらなる飛躍に期待したい…!
PHANTOM EXCALIVER 2023.11.11 セットリスト
1.大飛翔 Golden Eagle:WOA Edition(SE)
2.The Rebellion
3.英雄
4.Dragon Avengers
5.Twilight Valkyria
6.Hell
9 Days
7.鋼鉄の誓い
8.青春爆走物語
9.カタストロフィ~終わらない情熱~
10.Drums & Bass Solo
11.やっさっさ
12.聖剣伝説
13.聖剣伝説 Episode I
14.メタルは裏切らない [Encore]15.Mother Earth
公式インフォメーション:
Phantom Excaliver official website