ブラッド・ギルス「ナイト・レンジャーは新しいアルバムを作るかもしれない」フクロック出演目前インタビュー!

ブラッド・ギルス「ナイト・レンジャーは新しいアルバムを作るかもしれない」フクロック出演目前インタビュー!

8月29日(土)の開催を目前に控える、大人の音楽フェスティヴァル“THE GREATEST ROCK FUKUOKA”(フクロック)。久方ぶりのジャーニー来日、早くも奇跡のカムバックを果たすナイト・レンジャー、国内外メタル・シーンのレジェンド:ラウドネス、昨年デビュー45周年を超えてますます意気軒昂のHOUND-DOG、デビュー40周年イヤーを精力的に活動するRED WARRIORS、メイド姿で個性豊かな楽曲を演奏するお給仕(ライヴ)で“世界征服”を着々と実行しつつあるBAND-MAIDと、幅広い出演陣が集う音楽フェスは必見である。

そんな中、ナイト・レンジャーのギター・ブレイン:ブラッド・ギルスが、出演を前にインタビューに応じてくれた。バンドは昨年、“可能なうちに一区切りを”との意図で、フェアウェル・ツアーと銘打った来日公演を東京と大阪で行なった。その後、今なお精力的にアメリカでライヴを行なっているが、「それも努力あってのこと」とブラッドは語る。イベントへの意気込みや待望のソロ新作、バンドの次作など、興味深いトピックを次々と聞かせてくれた様子からすると、まだまだ引退には程遠いのかもしれない…!

今も1年に85〜90本のツアーをこなしている

ブラッド・ギルス

YG:8月29日(土)に行なわれる“THE GREATEST ROCK FUKUOKA”への出演が迫り、ナイト・レンジャーが昨年のフェアウェル・ツアー以来早くも日本に帰ってこられることを嬉しく思っています。今のお気持ちはいかがですか?

ブラッド・ギルス(以下BG):素晴らしい気分だよ。特に昨年、日本武道館での素晴らしいライヴを終えた後だからね。武道館公演のために俺達は、ありとあらゆるベストを尽くした。おかげでなんと2時間45分にも及ぶショウになった。初期数枚のアルバムから、今まで弾いたこともなかったような曲まで練習したりしてね(笑)。それはみんなに、できるかぎり最高のショウを届けたいという思いからだった。ジャーニーとは何十年来の友好関係があり、一緒にたくさんのツアーをしてきている。2011年なんて、45〜50本のジョイント・ツアーを行なったよ。ジャーニー、フォリナー、そしてナイト・レンジャーのパッケージで、素晴らしいものだった。今回、ジャーニーと一緒に日本に戻って福岡でプレイできるのは素敵なことだ。とても楽しみにしているよ。実は、もっと日本でライヴをやりたかったんだよね! 今回はこういう形になったけど、またしばらく訪れていなかったいろんな街でプレイできるといいね。

YG:昨年の日本公演を“フェアウェル”と銘打った理由について、あなたは当時「メンバーの皆が健康なうちに、一度区切りをつけておきたい」と話していました。実際現在もバンドはツアー中で、来年までアメリカを廻っていくのですよね? ますます活発になっている気がしますが、やはり今のコンディションが好調ということでしょうか?

BG:ああ、今も1年に85〜90本のツアーをこなしている。金・土に各地を訪れて日曜日には帰宅する、ウィークエンド・ウォリアー形式だ。これが今の俺達にとっては最善だね。2〜3ヵ月もバスに乗りっぱなしの長距離ツアーをやるのは、もう無理だ。ちょっとトゥー・マッチだね。だから金・土に出かけてショウをやって、日曜には帰って2〜3日オフをとり、またその繰り返し、というのが上手くいっている。これからも楽しみなフェスが待っているよ。テネシーで開催される3日間のフェス“Monsters on the Mountain”に出演するし、福岡ではジャーニーの前に演奏する。ポイズンのブレット・マイケルズと共に出るショウも多い。彼は素晴らしいよ。毎晩彼のステージに呼びこまれて、一緒に「Sweet Home Alabama」を共演したりするんだ! だからフェス出演もたくさん、単独公演ももちろんある。その会場はほとんどが中西部だ。このエリアで俺達は一番人気があるんだ。だから、誰かの健康が損なわれるようなタイミングが来るまではずっとこのまま続けるつもりだよ。みんな健康には気を使っているし、ツアー中も体によい食事を心がけている。魚料理やサラダなんかをよく食べて、なるべくデザートには近付かない。俺自身、ホテルに着いたら必ず水泳やウォーキングをするようにしている。おかげで維持できているよ。俺の食生活は監修されているので、一時期体重が増え気味だった自分にとっては大助かりだ。肌の調子も良い。健康的なものを食べること、体に良いことをやることが大切だ。

ギターもちゃんと弾いて忙しくしているよ。もう何年も作っているソロ・アルバムを完成させようとしているんだ。カヴァー曲もいくつかあって、ナイン・インチ・ネイルズの「Hurt」(1994年『THE DOWNWARD SPIRALS』)などをやっているよ。ザ・キュアーの「Alone」(2024年『SONGS OF A LOST WORLD』収録)やスノウ・パトロールの「Run」(2003年『FINAL STRAW』収録)などもある。俺がリアレンジして、歌も自分で歌っているよ。あと、ゲイリー・ムーンがリード・ヴォーカルを執った曲も多い。新しい作品を世に出したくて、ワクワクしているね。そんな、3枚目のソロ・アルバムだ。俺が1992年に出した『GILROCK RANCH』はインストゥルメンタル中心のアルバムで、デレク・シェリニアン(key)が凄いキーボードを弾いてくれている。彼はモンスター・プレイヤーだからね。同作にはグレッグ・オールマン(オールマン・ブラザーズ・バンド)が歌を入れた曲が2曲ある。彼は当時、俺と同じサンフランシスコに住んでいて、俺が開いたBBQパーティーに来てくれたんだ。その時自宅のスタジオに彼を招いて、作っている曲を聴いてもらった。それを気に入ってくれた彼は、いつの間にか歌詞を書き始めていた。あれよという間に俺はマイクをセッティングして、彼の歌録りを行なったんだ。それが「Honest To God」だよ! 非常に完成度が高かった。でも当時のレコード会社はとても小規模で、売上が立つほどのオンエアを獲得できなかった。それで今回、グレッグ・オールマンのヴァージョンにリミックスやリアレンジを施して、新しいアルバムに入れられないかと考えている。俺とグレッグ・オールマンで作った「Honest To God」をね!

YG:それは楽しみです。 

BG:とにかく、俺のやっていることをみんなに聴いてもらいたいよ。新作にはかなりの時間をかけているからね。プロダクションにも力を入れてビッグなサウンドになるよう努めている。自分の指が動くようにプレイしているよ。よく練られた、最新のソロを聴くことができる。幸運なことに俺は、弾けば自分と分かってもらえるプレイ・スタイルを築くことができている。それは素晴らしいことだ。自分をシュレッダーだと思ったことはないけど、メロディ・センスを持ったプレイであることは自負しているよ。そういったものが聴けるアルバムになっていると思うし、アーミング技も多彩だ。

シュレッド・ギタリストの皆は、ちょっと速度を落とすように(笑)

ナイト・レンジャー

YG:フクロックではどんなセットを予定していますか? 昨年は『7 WISHES』の40周年を記念した選曲が組み込まれ、「Interstate Love Affair」などレア曲もありましたが、やはり様々なバンドのファンが集うので、ベスト・ヒット的な内容? 現在のツアーでのセットと近いものになりそうですか? 

BG:大抵はベスト・ヒットだね。やはり皆が聴きたいのはそこだから。それから、ちょっとマイナーな曲を入れていこうかと考えている。「A Touch Of Madness」「Eddie’s Coming Out Tonight」「This Boy Needs To Rock」といったものなんかをね。このショウに最適だと思う曲を選びたいと考えているよ。持ち時間がどのぐらいになるのか正確に把握していないけど、日本のファンが最も喜ぶものを届けられるようにしたい。

YG:機材に関して、ギターはやはり、1962年製の赤いフェンダー・ストラトキャスター? 

BG:もちろん、必ず持っていくよ。ダレン・ハーストというギター・テックがついているからね。彼の腕は最高だよ。ピーター・フランプトンやジョー・ペリーなどに長年ついていた人で、今は俺が確保している。色々と助けてもらっていて、日本のショウにどんな機材がベストか考えてもらうんだ。多分、ケンパー“Profiling Amplifier”を持っていくと思うよ。ここしばらく、プリセットを作っていたんだ。持ち運びしやすいから、今回のショウには最適なんじゃないかな。まだ検討中で、この週末にも話し合う予定なんだけど、1962年製のストラトは間違いなくあるし、バックアップも持っていく。そっちはフェルナンデス“BG”になるだろう。1985年に100本ぐらい製作されていて、自分の所有しているものはフロイドローズのオリジナル・トレモロを搭載してあるよ。さらにピックアップは、StewMacという会社が俺のために作ってくれたものを載せているんだ。今は俺も、会社の一員なんだ。CIO(Chief Innovation Officer)の称号を授与されたよ。今ここでは話せないけど、ギター関連アクセサリーの新たなアイデアをたくさん持ち込んだところ、そうなったんだ。まずは第1弾としてピックアップが発売される。そして、俺がStewMac社の一員であることもアナウンスされるよ。その後、俺がデザインした製品が作られていく予定だ。

ブラッド・ギルス

YG:今回の公演地は日本列島の南部に位置する福岡で、ナイト・レンジャーで来られたのは1997年の『NEVERLAND』のツアー、そして1998年の『SEVEN』に伴うツアーの2回だったようです。当時の福岡公演で、何か憶えていることはありますか? 

BG:ない!(笑) 何しろ、これまでに4,000本のショウをやってきているからね。その中でもいくつか思い出に残っているショウはあるよ。何年か前にやった大阪公演では、始まった瞬間から歌いまくってくれた! あの時は、珍しく1曲目に「Don’t Tell Me You Love Me」をやったんだけど、観客が物凄く盛り上がって拳を突き上げるわ、歌うわでクレイジーだった。ステージ脇から誰かがそれを撮影しているんだけど、素晴らしい動画だったな。日本の中でも大阪のオーディエンスは強烈だった。東京に関しても、いつも素晴らしいショウができたし、2〜3日連続でショウをやったこともある。名古屋でのショウも良かったのを憶えているよ。名古屋や福岡には久しく戻っていないんだなと気付かされたね。だから俺達が健康でいる限り、このジャーニーとのショウが終わったら、新しいアルバムを作るかもしれない。時間を見つけるだけのことだ。きっと楽しいものになるだろう。そうしたらもちろん、また日本に戻ってくるよ。このバンドであとどのぐらい続けられるかはわからない。だけど今は全員が健康だ。過去には、ジャック(ブレイズ/b、vo)とケリー(ケイギー/dr、vo)の調子が悪くなったことがあった。それも乗り越えたよ。まあ、ちょっと歳を取ればそういうこともある。この3人の中では俺が最年少だ!(笑) 健康を保つために水泳など運動を一生懸命やっているよ。

YG:ジャーニーは旧知の仲とのことで、他の本イベントに出演するアーティストに関してはいかがですか?

BG:BAND-MAIDのことは聞いているよ。女性のバンドだよね? ラウドネスは素晴らしいね。昨年、クルーズで一緒にライヴをやったし、メンバーとも会ったよ。世界的にも素晴らしい人たちだ。彼らもこのショウでプレイすると知っているけど、彼らも俺達に会いたいと言ってくれているようだ。確か、大阪出身のバンドなんだよね? ショウの前に一緒に過ごす時間はちょっとないかもしれないな。とはいえ、当日に彼らを観られるのが楽しみだ。きっと楽しいだろうな。ソールドアウトも間近だと聞いているし、期待ばかりだよ。唯一、長時間のフライトを除いてはね(笑)。日本に関することは何でも素晴らしい。食事、文化、清潔な都市、そして毎回俺達が訪れるたびに温かく迎えてくれるオーディエンスの皆だ。

YG:アメリカは数年前から’80年代のリヴァイヴァルで盛り上がっており、世代を超えたファン層が集まっていると聞きますが、まだまだその勢いは続きそうですか? 

BG:俺もそんな気がしているよ。特にジャーニーや俺達、レーナード・スキナードといったツアー・バンドがみんな成功している。クラシック・ロックの勢いがあるというのは良いことだね。ただ悲しいかな、ラジオでかかることはあまり多くない。新作をリリースしたって、オンエアされない状態なんだから。だからほとんどの収入はツアーが担っている。こういったバンドが上手くいっているから、アメリカ国内で3〜5バンドぐらい集めてフェスティヴァルを開けば、1万5千〜2万人の観客の前でプレイできる。それはとても価値のあることだ。だけど、俺も今ソロ・アルバムを出そうとしているところなので、自分がリリースするものはオンエアされて欲しいものだね。

YG:そのソロ・アルバムが完成したら、きっとまた日本に戻ってきてプレイしてくれますか? 

BG:俺の音楽を演奏するためにバンドを作って日本に行く…? いいアイデアだ、ありがとう(笑)。そうなったら最高だよ!

YG:話は戻りますが、例えば最近、「ギターを弾きたい」「ロックをやりたい」という子どもたちを見かけることもありますか?

BG:あるよ! レッド・ツェッペリンのようなバンドがたくさんいるし、上手くやっているよ。そういうのを見られて嬉しい。だって最近の子どもは皆シュレッダーを目指しているじゃないか。YouTubeやインスタグラムで、小さな子どもが物凄いプレイをしたりして。俺も、日本人で8歳ぐらいの子たちがシュレッドしまくっているのを観て「なんてこった! 冗談だろ!?」と思ったね(笑)。だから、昔の波は戻ってきているんじゃないかな。アメリカのラジオがオンエアしたものを子どもたちが聴いて、’80年代に盛んだったド直球のロックンロールが再燃しているのかもしれないね。

YG:最後に、日本のナイト・レンジャーのファン、そしてギター・ファンにメッセージをお願いします。

BG:福岡でジャーニーと共演できるのをとっても楽しみにしているよ。皆が来てくれるといいな。そしてシュレッド・ギタリストの皆は、ちょっと速度を落とすように(笑)。少しはメロディックな要素も加えて弾いてくれよ。最近じゃオールマイティなミュージシャンシップを身につけるのが大事だからな! 会えるのを楽しみにしているよ。どうもありがとう。

THE GREATEST ROCK FUKUOKA 開催概要

THE GREATEST ROCK FUKUOKA

日程:2026年8月29日(土)
会場:みずほPayPayドーム福岡
開場 10:00 / 開演 11:30(21:00~21:30頃終演予定)

出演アーティスト:JOURNEY、NIGHT RANGER、BAND-MAID 、HOUND DOG、LOUDNESS、RED WARRIORS

タイムテーブル

主催:福岡ソフトバンクホークス株式会社
企画制作:ウドー音楽事務所、SMASH、スペースシャワーエンタテインメントプロデューシング、イープラス、BEA
後援:FM FUKUOKA

チケット料金(各税込):
VVIP席:118,000円
VIP席:49,800円
アリーナ席:29,800円
Sスタンド席:19,800円
Aスタンド席:17,800円
車椅子席:29,800円

VVIP席限定特典グッズ:折り畳みクッションシート、限定仕様フェイスタオル、VVIP席特別仕様パスカード、オリジナル・トートバッグ

VIP席限定特典グッズ:VIP席特別仕様パスカード、オリジナル・トートバッグ

チケット販売:
イープラス

詳細・お問い合わせ:
BEA:092-712-4221(平日12:00~16:00)

イベント公式インフォメーション:
THE GREATEST ROCK FUKUOKA