異弦同音を使ったフレージング・アプローチ2 ニック・ジョンストン奏法コラム第14回

異弦同音を使ったフレージング・アプローチ2 ニック・ジョンストン奏法コラム第14回

今回ニックが紹介してくれたリックは、第12回で取り上げた“異弦同音”リックの別ヴァージョン。その時のリックよりもパターン化されたフレーズなので、覚えておけば様々な場面で応用が利くはずだ。では、いつものようにニックの言葉から。

Nick’s Comment

「このテクニックを使うと、ソロの時にディレイがかかったようなサウンドを作ることができるんだ。前にも何度かアルバムなどで使ったことがあるんだけど、その例の1つがペリフェリーの「The Parade Of Ashes」(’14年『CLEAR』収録)にゲスト参加した時のソロだよ。これも単に、自分の音作りのためにハイブリッド・ピッキングの活用法を長年実験する中で生まれたものなんだ。やり方は、まず音を2つ選ぶ。それから3つ目の音——これは隣の弦で最初の2音のうちどちらかと同じ音を弾く。この3つの音を行ったり来たりすることで、とてもユニークでコミカルなサウンドができるよ!」

ニックの発言をEx-1に当てはめてみると、1弦5fのA音と1弦10fのD音が最初の2音。そして2弦10fのA音が3つ目の音ということになる。ニック曰く「この3つの音で〜」とのことだが、Ex-1を成り立たせるためには、これに加え4つ目の音が必要になる。2弦8fのG音がその4つ目に該当するのだが、この音をピッキングせずに左手TAPで出しているのがEx-1のポイント。「ディレイがかかったようなサウンド」にするためには、ブリッジ・ミュートでサステインを殺し、各音符をスタッカート気味に弾くことを心がけよう。なお、スロー・テンポ時は1弦をアップで弾いている部分もあるが、ノーマル時はすべて[1弦=中指、2弦=ダウン]でピッキングしているようだ。

一方のEx-2では、2〜3弦でも同様のフレーズが確認できる(図1)。この場合は2弦5fのE音と9fのG♯音が最初の2音で、3弦9fのE音が3つ目の音。そして左手TAPで出す4つ目の音が、3弦7fのD音になるわけだ。

Ex-1 [3つの音+α]による異弦同音フレーズ 1

各音符をスタッカート気味に弾くことを意識したい。2弦10fのピッキング音は、アタック音だけになってしまってもOKだ。

Ex-1

Ex-2 [3つの音+α]による異弦同音フレーズ 2

前半はEx-1と全く同じプレイ。Ex-1にも言えることだが、慣れるまではフレット間隔の狭いハイ・ポジションに平行移動し、ストレッチの負担を減らした上で練習してみるのも1つの手だ。

Ex-2

図1■異弦同音を含むEx-1&2のポジション

図1