第3回の今月は、ブルース的ブギウギという感じ。少なくとも、過去2回のようなテクニカル技とはまるで異なるトラッドなコード・プレイだ。DVD映像を観れば一目瞭然。若いキッズはあまり馴染みのないサウンドなので、その意味で厄介かも。だからこそ新鮮なわけだが。では、ニックのアドヴァイスを。
Nick’s Comment
今回のリックは、メロディーもコードもシンプルで、リスナーにも分かりやすい。一度聴いただけでも終わる頃には口ずさめるようになっているんじゃないかな。これの原曲を作ったのは’10年。たった15分でできたんだ。食べ物を温める待ち時間にヴァースのメロディーを思い付いてね。素晴らしい音楽が生まれる時って、そんな感じかもしれないね。どこからともなく現れる…。閃きって、いつどこから舞い降りてくるか分からないよ。
このKeyはEで、開放弦のE音やA音が使える。コードEやAのルート音を指で押さえなくてもいいから、メロディーがかなり弾きやすくなったよ。そのメロディーは、ピック弾きとフィンガー・ピッキングを混合させたハイブリッド・ピッキングで作り出している。ピック弾きの方はベース音を担当し、中指でハジく指弾きの方はメロディーの大半を奏でているんだ。パターンさえ掴めば結構簡単。シンプルだよ。それでいて、強烈なグルーヴと凄くダーティな響きが特徴だから、弾けるようになると物凄い満足感が味わえるんだ。君も弾けるようになれば楽しいはずさ。今回も読んでくれてありがとう!
どうやら奏法の鍵を握るのは、低音のパートを弾くピック弾きと、他の旋律などを弾く中指の指弾き、この2つを組み合わせたハイブリッド式ピッキングだ。「パターンさえ掴めば結構簡単」だということだが、パターンを掴んで身体に覚え込ませること自体が高いハードルなのである。慣れるためには、ベーシックな1〜2小節目を繰り返して…という地味な作戦がいいかも。とにかく、簡単なパターンに慣れたい!
Ex-1低音パート=ピック、旋律=中指によるハイブリッド・ピッキング・エクササイズ
●低音パートを弾くピック弾き、他の旋律などを弾く中指でフィンガー・ピッキング…という2つを混合させたハイブリッド式が、ここでのピッキング・スタイル。
プロフィール
ニック・ジョンストンはカナダ出身のギタリスト。フル・シュレッドから繊細なニュアンスまで網羅する卓越した演奏テクニックと抜群のメロディー・センスで動画サイトなどを中心に話題を集め、2011年の『PUBLIC DISPLAY OF INFECTION』をはじめ、これまでに4作のオール・インスト・ソロ作品を発表。昨年9月発売の最新作『REMARKABLY HUMAN』で正式に日本デビューを果たした。本作には、ガスリー・ゴーヴァンやポール・ギルバートがゲスト・ソロを弾いた楽曲もボーナス・トラックとして収録。2017年2月にはアニマルズ・アズ・リーダーズのツアーに帯同して初来日を果たし、ライヴやギター・クリニックを行なうなど、国内でのさらなる活躍が期待されている急進中のロック・ギタリストだ。
インフォメーション
公式ウェブサイト:www.nickjohnstonmusic.com
フェイスブック:www.facebook.com/NickjohnstonOfficial
最新リリース情報
キングレコード|CD|2016年9月14日発売