下降パターン時のノン・ピッキング・エクササイズ

下降パターン時のノン・ピッキング・エクササイズ

先月号のアルペジオ・エクササイズは上昇パターンが主題だったが、今回は下降パターンでのノン・ピッキングについて。つまり、高音弦側から低音弦側へのアルペジオ…、この際ニックはほぼピッキングせず、フィンガリングのみで音を出していく。これは彼に限らず、多くのテクニシャンがやっていることでもある。普通のレガート系プレイにも言えることだが、スウィープ・アルペジオの現代的スペシャリストにとって、これはもうMUSTの弾き方と言ってもいいかも。ではまず、ニックのお言葉を。

Nick’s Comment

複数の弦に渡ってアルペジオを下降する場合、僕は左手のフィンガリングだけでコナすようにしている。こうすると、液体のように滑らかなサウンドが得られるし、すべての音をクリーンに出すことに集中していられることが分かったんだ。実は、僕はオーソドックスなスウィープ・ピッキングが苦手でね。そこで、こうした方法でその弱点をカヴァーしなきゃならなかったんだよ。これはスウィープ・ピッキングの代替案として、とても役立つんじゃないかな。習得すれば大いに有益だ。君にも合うかどうか、試してみて。

例えばスウィープ奏法の権化:イングヴェイは、上昇時こそ痛快に連続ダウンのスウィープを決めるが、実は返りの下降はそもそも弾かないか、お茶を濁す。それは連続アップのスウィープでさほど勢いのあるアルペジオ・フレーズが生まれない…ということだろう。言い換えれば、連続アップはギタリストにとっての鬼門だということ。故に、多くのギタリストはフィンガリングだけで下降するというわけだ。ニックも然り。

Ex-1(図1)のCm9が今回の主たるエクササイズだ。6弦から1弦までは普通にピッキングするが、後半の1弦から6弦は、映像を観ての通り一切ピッキングしていない。また、それを使ったEx-2も、アルペジオ部分に関しては同じだが、2小節目のような普通の下降フレーズでも、ピッキングは極力減らしているというところに要注目だ。

Ex-1 アルペジオ下降時ノン・ピッキング・フレーズ(基本)

●前半の[6弦→1弦]は普通に弾いて、後半の[1弦→6弦]はピッキングなし!
Ex-1 アルペジオ下降時ノン・ピッキング・フレーズ(基本)

図1■Ex-1のCm9アルペジオ
図1■Ex-1のCm9アルペジオ

Ex-2 アルペジオ下降時ノン・ピッキング・フレーズ(応用)

●最後のアルペジオ部分はEx-1同様、[1弦→6弦]の下降時はピッキングなし! 2小節目のような普通の下降フレーズもピッキングは極力少なくしている。
Ex-2 アルペジオ下降時ノン・ピッキング・フレーズ(応用)